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津山の歴史 あ・ら・か・る・と

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岡山県津山市

■鳥形瓶(とりがたへい)のモデルはどんな鳥?
久米歴史民俗資料館(中北下)には写真(1)の土器を展示しています。この土器は鳥の形を模した須恵器(すえき)の「鳥形瓶」です。古墳時代の終わりごろ(7世紀後半)に造られた糘山(すくもやま)4号墳(戸脇)から出土しました。須恵器の鳥形瓶は、中国地方を中心に分布し、主に古墳から出土しています。市内で見つかった鳥形瓶は糘山4号墳から出土した1点のみで、この地域では珍しい須恵器の一つでもあります。
鳥形瓶は、瓶(=びん)と名が付いているとおり、液体を入れる容器です。一般的な形を写真(1)で説明すると、左側が鳥の頭に見立てた注ぎ口です。真ん中の袋状部分が鳥の胴体で中は空洞、右側は尻尾に見立ててきゅっと閉じています。胴体の下には脚台(きゃくだい)が付くものが多く、線刻(せんこく)などで鳥の足を表現したものもあるようです。
糘山4号墳の鳥形瓶は、大きく開いた注ぎ口で、少し膨らみのある長い胴体に垂直に立ち上がる短い尾が付いています。ほっそりした体形の水鳥です。脚台に鳥の足を表現した線刻はありません。
一般的な鳥形瓶のモデルは、白鳥や鴨などの水鳥です。神話に登場する水鳥は、魂を運ぶとされているため、鳥形瓶は古墳での死者を送る儀式に使われたと考えられています。
糘山4号墳出土の鳥形瓶は、シンプルな造りのため、どんな水鳥がモデルであったのか特定することが難しいですが、鴨(写真(2))ではなさそうです。鴨がモデルの鳥形瓶や埴輪(はにわ)を見ると、ぽてっとした丸みのある短めの胴体をしており、体形が似つかないためです。また、白鳥(写真(3))よりも、さらに細い体形をしており、どんな鳥がモデルであったのか考えさせられます。
※写真は本紙をご確認ください。

問合せ:津山弥生の里文化財センター(沼)
【電話】24-8413

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