4.村の数字は?
▽グラフからわかること
平成29年度は0%以下のため非表示となっていますが、実際にはマイナス41・1%となっています。翌平成30年度も同様に0%以下のため非表示となっていますが、実際にはマイナス14・7%となりました。しかし平成29年度から平成30年度にかけて26・4%増加しています。この増加の主な原因は、公共施設の建設(平成30年度は解体工事)が始まり、工事のための財源として地方債の借入を行い現在高が大きく上昇し、基金を取り崩して執行したため、将来負担に対する充当可能基金が減少したことが挙げられます。以降、解体工事・建設工事と事業費の大きい=借入や基金の取崩しが大きい事業を行っていることから地方債の現在高は上昇していきます。一方でふるさと納税によるむらづくり基金の積立が増加したことや、財政を精査し積立した結果、充当可能基金は徐々に増加となりました。
令和2年度から令和3年度にかけて起債現在高が約5億円程度増加するとともに比率も16.0%増加しました。
また、令和3年度からは観光施設の建設が始まり令和3年度は除却、令和4年度は繰越事業となったことにより翌年令和5年度の借り入れとなることから令和6年度に令和4年度事業・令和5年度事業分が加算されます。加えて、脱炭素再エネ推進関連事業が令和4年度から5ヶ年計画で始まっており、補助金と地方債により執行することから令和8年度で地方債の現在高は高止まりとなり、以降は減少していきます。
本村は地方債を借入する際は、償還期間10年~12年(※地方債の種類・条件にもよります)かつ据置期間なしの条件で借入することが主です。そのため、償還も早く、5年も経過すればおよそ半分は償還していることになりますので将来負担の主たる要因である地方債の現在高の減少は早く、または、事業抑制により制御可能であると言えます。令和8年度以降は地方債の借入額を抑制する方針として財政シミュレーションを作成し算出しています。
その結果、令和9年度には比率は大きく減少し令和元年度~令和2年度並みに、さらに令和10年度には再びマイナスになる見込みです。
標準財政規模:標準的な税収入額等に普通交付税を加算した額
将来負担額:1から10までの合計額
1…ー般会計等の当該年度の前年度末における地方債現在高
2…債務負担行為に基づく支出予定額(地方財政法第5条各号の経費に係るもの)
3…一般会計等以外の会計の地方債の元金に充てる一般会計等からの繰入見込額
4…当該団体が加入する組合等の地方債の元金に充てる当該団体からの負担等見込額
5…退職手支給予定額(全職員に対する期末要支給額)のうち、一般会計等の負担見込額
6…地方公共団体が設立した一定の法人(設立法人)の負債の額のうち、当該設立法人の財務・経営状況を勘案した一般会計等の負担見込額
7…当該団体が受益権を有する信託の負債の額のうち、当該信託に係る信託財産の状況を勘案した一般会計等の負担見込額
8…設立法人以外の者のために負担している債務及び当該年度の前年度に、当該年度の前年度内に還すべきものとして当該団体の一般会計等から設立法人以外の者に対して貸付けを行った貸付金の額のうち、当該設立法人以外の者の財務・経営状況を勘案した一般会計等の負担見込額
9…連結実質赤字額
10…組合等の連結実質赤字額相当額のうち一般会計等の負担見込額
充当可能基金額:1から10までの額等に充てることができる地方自治法第241条の基金
5.村の考え方
前述のとおり、投資的事業の抑制により将来負担比率も抑制が可能となります。しかしながら、標準財政規模が小さい=投資的事業に充当する財源がない本村にとって、地方債を伴う投資なくして村の活性化は困難です。しかし、必要だからといってすぐに飛び掛かるのではなく、事業の優先順位を付け、必要なタイミング、住民の生活に直接かかわることについては積極的に行っていく等、財政規律にメリハリを付けることで住民生活の安定・充実、村の活性化を図っていく必要があります。また、基金の運用についても、常に将来を見据えて、積立が可能な時には極力積立てし、計画的に取崩し運用していく必要があります。
「今」だけを見るのではなく「過去」そして「未来」を見据えながら村の財政を考えていきます。
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