文字サイズ
自治体の皆さまへ

解説!村のあれってどうなっとん?西粟倉の「今」を紐解く(2)

2/34

岡山県西粟倉村

6.村の考え方として
法的に何か罰則等があるわけではありませんが、行政の土台を支える部分の安定を示す指標であることから、重要な数値であると認識しています。
一方で、自主財源の少ない本村にとって、地方債を伴う投資なくして村の活性化は困難です。村が全国から注目され、民間事業の資金、人、ノウハウの村への流入・活用が期待できる「今」は攻め時でもあります。この時期を逃さないための投資は一定量必要と考えています。
ただし、上昇を一時的なものにとどめ、財政を安定させるには次のような対策が必要です。
・投資事業を適正な量に抑える。
・基金への積み立てを積極的に行い、経常経費の増加に対応するともに、次の投資に備える。
・事業のスクラップアンドビルドを行う。
・財政シミュレーションによる見通しを踏まえながらの財政コントロールを続けていく。
以上のようなことを継続的に行う必要があります。
今後、本村においてもインフラ(道路、橋、水道、下水、光ファイバ等)や公営住宅の老朽化や住宅不足への対応など目前に必要な投資が見えています。住民生活不可欠なものへの投資が間近かに迫っていることも踏まえながら、計画的に行うことが必要です。

▽おわりに
3カ月にわたり、3つの指標を元に村の「財政」について分析・紹介してきました。
A.実質公債費比率
B.将来負担比率
C.経常収支比率
数値が良いことは財政上は望ましいことですが、一方で行き過ぎると投資的事業も住民サービスを過剰に控えることになりかねません。一定の投資は必要との認識は持ちながら、基金を確保・活用し、国の制度や民間の資金、ノウハウも活かしながら財政運営を行う必要があります。特に今回の経常収支比率のグラフでは100%を超えるものが並んでおり、ご心配をおかけすることもあると思いますが、令和5年度決算の基金残高は昨年度末を維持できる見込みとなっているほか、企業版ふるさと納税、ふるさと納税など村外からご支援いただける村になっている状況もあります。
既存の統計分析は「結果=決算」によるものですから、変えることはできません。シミュレーションは条件設定を行い実施しているもので、不確定要素があるため、誤差があることも理解し運用することが大切ですが、安定した財政運営のためには継続的に作成、運用することが必要と考えています。今後も分析により数値を示し、それに基づき判断を行いながら、適切な財政運営を行ってまいります。

■補足(シミュレーション設定条件について)
(1)令和4年度までは決算実績値を採用
(2)令和5年度は最終補正予算(第6次)、令和6年度は当初予算の分析情報を採用し決算見込み額を算出
(3)令和7年度以降の経常的な歳出について
1)物件費、繰出金
過去4ヶ年の平均値を採用
2)人件費
令和6年度予算を採用
3)公債費
「総合振興計画に計上した令和7年度予定事業」に「令和3年度から令和5年度までに計画に計上されていたが予算化されなかった事業の地方債の合計額」を全て執行するものとして加えて算出。令和8年度以降は事業抑制するものとして算出。
4)維持補修費等その他
過去2ヶ年の平均値を採用
(4)令和7年度以降の経常的な歳入について
1)地方税・地方特例交付金等・地方交付税
前号・前々号で用いたシミュレーション算定値を採用(人口推計および算定基礎面積・延長は据え置きにより令和5年度算定基準に基づき算出比率)
2)その他
過去4ヶ年の平均値を採用

▽基金残高の見込み
※前年度以上の額で基金残高を維持することが出来ました。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU