2月17日、くまやまふれあいセンターで、第25回朗読会「永瀬清子の詩の世界―貴方がたの島へ」が開催され、市内外から参加者が訪れました。会は、沼本典子さんが岡山県の三大河川を題材にした永瀬清子の詩「美しい三人の姉妹」を朗読して幕を開けました。
続いて、今年度21回を迎える岡山県内の小中学生を対象とした詩のコンクール永瀬清子賞表彰式では、受賞者15人に賞状と副賞が授与されました。優秀賞受賞者3人は作品を朗読し、小林一郎選考委員長からそれぞれ励ましの言葉をいただきました。
さらに、歌手の沢知恵さんがこれまで語られてこなかった「永瀬清子とハンセン病療養所」をテーマにピアノ弾き語りをしました。沢さんは、長年ハンセン病療養所の入所者に心を寄せ、療養所の音楽についての研究を進めています。その中から、長島愛生園の機関誌『愛生』へ入所者が寄せた詩に永瀬清子が書いた選評を紹介し、人と作品についてのお話がありました。そして永瀬清子の詩に曲をつけた「だましてください言葉やさしく」や「美しい国」、そして大島青松園の入所者で永瀬清子や沢さんと交流のあった塔和子さんの詩もピアノ弾き語りをしました。また、森田恵子さんによる詩「貴方がたの島へ」と「光田先生」の朗読もありました。
詩を通じて人と人の心に橋を架けようとした永瀬清子。沢さんのお話とピアノ弾き語りを通じて、永瀬清子とハンセン病療養所について学び、また考えるきっかけの会となりました。
■永瀬清子プロフィール/詩人
(明治39年2月17日~平成7年2月17日)
現在の赤磐市松木に生まれる。生涯現役の詩人を貫いた現代詩の母。みずみずしい言葉で自然や生活をうたった。詩集に『グレンデルの母親』(第1詩集)、『美しい国』、『春になればうぐいすと同じに』、短章集『流れる髪』、随筆集『光っている窓』、絵本『ひでちゃんのにっき』、『ぼくと母さんのうた』など多数。第1回岡山県文化賞、第19回三木記念賞、詩集『あけがたにくる人よ』により地球賞、ミセス現代詩女流賞など多数受賞。日本現代詩人会物故名誉会員。
問合せ:教育委員会熊山分室
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