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ジオコラム あかいわの大地の成り立ち (20)熊山のジオスポット

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岡山県赤磐市

熊山地域では、3億年前から現在までに作られた岩石を観察することができます。
大陸棚の底を作っていたペルム紀(3億~2億5千万年前)のマグマ由来の岩石が複数の電波塔が建つ倉懸山(351m)の北面に分布しており、倉懸山へ登る道沿いに、玄武岩の露頭や転石を見ることができます。
約8千万年前(白亜紀)のマグマに由来する岩石は、広い地域で観察することができます。熊山地域のマグマは、ケイ酸(SiO2)を多く含む粘り気の高い流紋岩質でした。強い粘り気のために大噴火を起こし、JR和気駅周辺を火口とする直径15kmの和気カルデラが形成されました。これは、阿蘇カルデラに匹敵する大きさです。熊山から論山までの熊山山域は、和気カルデラが形成されたときの流紋岩溶岩や火砕岩などの火山噴出物の宝庫です。火砕岩は、噴火によって昔からあった岩石の破片と軽石や火山灰が一体となって固まったものです。温度が600度以上にも上昇した火砕岩である溶結凝灰岩も観察できます。カルデラが作られる間、地下では流紋岩質マグマがゆっくり冷却し花こう岩ができました。浮力で上昇して地表に現れた花こう岩は桜が丘や石蓮寺で見ることができます。
ペルム紀や8千万年前の岩石でできた地表に川が流れ出しました。3400万年前のレキ岩層は川の痕跡です。レキ岩層は桜が丘、美作岡山道路熊山ICやグリーンタウン殿谷で見ることができます。
吉井川や支流である小野田川沿いの低地は、約1万8千年前~現在(完新世)までに形成された地層で覆われています。ここで見られる河川沿いの柔らかい地層では、地震振動による液状化が起こります。岡山県の「南海トラフ巨大地震による液状化危険度分布図」によると、吉井川そしてその支流である小野田川沿いの低地は、危険度の「高い」液状化の可能性が指摘されています。

もっと知りたくなった人は、地球史研究所の先生に聞いてみよう!
・地球史研究所(周匝)【電話】956-3538
(※外出中で不在のときもあります)

問合せ:政策推進課政策企画班
【電話】955-2692

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