■市民から見る高梁市
高梁市発足20周年を記念して、市民の方に「この20年を振り返ってどうか?」「これからの高梁市に期待したいことは?」についてお話をうかがいました。
◆昔からあるものを大切にし、未来へ向かって
方谷さんを広める高梁の会 事務局長
石井(いしい)亮作(りょうさく)さん(落合町阿部)
◇この20年を振り返って
まちの活気はなくなってきていると感じます。私の子どもが今年、高梁市と同じ二十歳を迎えますが、その子が小さい頃は地域では子ども会やイルミネーションなどの催しが活発に行われていました。しかし、近年は子どもの数が減少し、コロナ禍の影響もあってイベント自体が減り、それとともに地域のつながりが薄れてきていることを実感しています。
しかし、そんな中でも観光業などは盛り上がりを見せたのではないでしょうか。「雲海に浮かぶ備中松山城」はこの14~15年の間に知名度が高まりました。また、郷土の偉人・山田方谷に関する活動、例えば「方谷さんの大河ドラマ化」という目的の下、集まった署名が100万人を突破したことなどはまちの底力だと思います。引き続き全国的な周知を行っていくとともに、市内の子どもたちへ方谷さんをはじめ高梁の魅力を伝えていきたいと考えています。
◇これからの高梁市に期待したいこと
高梁市には「働き先がない」という話を耳にします。世帯収入が増えることは人口増加へ繋がると思いますので、これから二十歳を迎える子どもたちが少しでも住みやすいまちをつくるために、所得が上がるような取り組みを主とした「雇用創出」を市には期待したいです。また、市民の皆さんにはこのまちの魅力を改めて感じていただき、私を含め、一人ひとりができることは何かを考えていただくことでより良いまちづくりに繋がると思います。高梁市は美しい山や川などの自然に恵まれ、良いところはたくさんあると思いますので、自分が住んでいるまちの良さを観光客や外部へ発信してほしいです。
今後とも、高梁市が山田方谷先生の思いを汲んで、繋がっていってほしいと願っています。昔からあるものを大切にし、未来へ向かっていけるよう私自身も取り組んでいきたいと思います。
◆まちに住む人に感謝の思いを持って
株式会社吉備ケーブルテレビ 報道制作部 副部長
黒川(くろかわ)智子(ともこ)さん(弓之町)
◇この20年を振り返って
高梁市合併の年に子どもが生まれ、今年二十歳を迎えます。仕事と子育てに奮闘した20年でした。
私は、合併前から報道機関に勤務していますが、それまでは旧高梁市・旧有漢町・旧賀陽町などが主な取材場だったため、合併後に初めて取材へ伺う地域もありました。そこで各地域の皆さんと出会って、まちづくりへの大きな活力と新しい発想などを肌で感じ、とても驚いたとともに、たくさんのことを勉強させていただきました。また、取材に来た私を温かく迎え入れてくださり、とても嬉しかったことを今でも覚えています。
◇これからの高梁市に期待したいこと
高梁市は人口減少、少子高齢化が進んでおり、地域の行事にも影響が出ていると思います。今まで取材に行かせていただいていたイベントには、高齢者や少人数で支えられているところも数多くあり、それがコロナの影響で途切れてからそのままなくなってしまったものもあり、とても残念な気持ちです。ただ、吉備国際大学の留学生を含む「学生ボランティア」や市の「地域お手伝い隊!」などの協力が支えとなったイベントなどもあるそうで、若い力が地域の支えになると改めて感じました。
高梁市は備中松山城をはじめ各地域に魅力的な観光スポットがありますし、美しい自然に囲まれた魅力あふれる場所です。その中でも、「人の良さ」が高梁市の一番の魅力だと思っています。現在、市外に住んでいる人や今の子どもたちがこれから高梁市から出ていったとしても、その人たちがいつでも高梁市に戻りたいと思えるようなまちであってほしいと思います。
これからも高梁市に住む人に感謝の思いを持って、まちの魅力を再発見できるような番組づくりを行いたいです。そういった面からも少しでも応援ができればと思っています。
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