■心も育つ 学び
▽給食という教材を生かした、一関ならではの給食の取り組みとは。
市は郷土愛を育むことを目的に、特色のある給食に取り組んでいます。そのうちの一つが、餅食文化への理解を深めてもらう「もち給食」。全国学校給食週間(毎年1月24日~30日)に合わせ、各学校給食センターが雑煮などを提供しています。11月24日の「和食の日」の前後には、だしのうま味や地元の食材のおいしさが詰まった和食献立を提供し、和食文化の継承につなげています。
地元食材の良さを知ってもらおうと、令和元年度からは「郷土愛を育む食育交流事業」を行っています。学校給食レシピコンテストのほか、こどもたちが生産者を訪問して野菜の収穫を体験したり、講話を聴いて一関の食文化を学んだりする機会も設けています。
食の多様化が進む中、給食は伝統的な食文化に触れ、地域を理解する「生きた教材」としての役割も担っています。
絵本に登場する料理を給食で再現する「絵本給食」も、市独自の取り組みの一つ。市が重点的に推進している「ことばを大切にする教育プロジェクト」の一環として、10月下旬から11月上旬に実施しています。各校への絵本の手配は市立図書館が協力。給食の前後に読み聞かせなどを行い、本と現実が結びつく面白さを感じてもらうことで、言葉への関心や読書意欲を高めています。
単なる食事の時間というだけではないのが学校給食。そこには健康的な食習慣づくりのため、地域理解のため、豊かな感性を育てるための栄養が詰まっています。
Q.絵本給食の楽しさは?
南小図書委員長 須山 諒(りょう)君(6年)
物語を想像しながら料理を味わえるのが絵本給食の楽しさ。毎年、本の中の料理を給食センターの人たちが再現してくれるのですごいと思います。
Q.給食のどこが好き?
南小給食委員長 佐々木陽野(はるや)君(6年)
給食の魅力は、日によっていろんなメニューが出るところ。一番好きな献立はカレーです。毎日おいしい給食を作ってくれる人たちに感謝しています。
■report 言葉への関心を高める絵本給食
10月31日に行われた南小学校の「絵本給食」を取材しました。同校の給食を担当する真滝学校給食センターが選んだ本年の絵本は「いいものもらった」で、提供されたメニューはシメジ、マイタケ、エリンギ、ナメコをふんだんに使った「きのこ汁」でした。給食時間に合わせ、読み聞かせボランティアが放送を通じて絵本を朗読。児童たちは放送にじっと耳を傾け、タヌキのおばあさんと孫たちが繰り広げる物語の世界を想像しながら味わっていました。
※詳しくは本紙をご覧ください。
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