市長 佐藤善仁
■はじめに
昨年は多くのイベントが数年ぶりに復活し多くの笑顔に出会えた一年でした。
一方で、物価高の影響は、生活と生産のあらゆる分野に及び、また、各地で地震や大雨による大規模災害が発生するなど、自然の脅威をあらためて認識した一年でもありました。
2025年は、皆さんの安全・安心と笑顔をさらに広げることができるよう施策を講じてまいります。
■人口減少への対処~若者・女性の働く場の創出~
市の最大の課題は、人口減少と捉えております。
人口が減ることによるダメージを少なくし、地域の活力を高めていくことが必要です。若者や女性、外国人が活躍できる社会の形成が必要であり、広い市域のどこで暮らしていても仕事にアクセスでき、暮らしが成立すること、また、一度はふるさとを離れた若者が、勉強・経験してきたことを市内での仕事に生かせる環境をつくることが重要です。
そのために、仕事の種類や働き方の多様性、働く場所の数を増やす取り組みを進めてまいります。
市内一円での雇用を創り出す場として、一ノ関駅東口工場跡地の開発が民間活力により図られるよう、引き続き検討を進めてまいります。また、一関東第二工業団地への企業誘致や学校跡地の産業用地としての活用により、多様なニーズに対応した企業誘致・事業誘致に取り組んでまいります。
■子育て支援の強化
本年度、一関保健センター内に「一関市こどもセンター」を設置しました。各関係機関との連携を強化しながら、さまざまな家庭環境に対応する包括的な相談・支援の充実を図ってまいります。
また、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない伴走型の相談支援および経済的支援を推進してまいります。
■DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進
時事通信社がまとめた「全国自治体DX推進度ランキング2024」で本市が全国で6位という評価を頂きました。引き続き、一関DX推進計画に基づき、行政手続きのオンライン化の拡大に一層取り組み、利便性向上に努めてまいります。
■外国人市民等への支援
あらゆる分野での外国人市民等の活躍を支援するため、外国の教育機関との交流事業の実施や外国人が働きやすい職場環境、生活しやすい環境づくりを支援してまいります。
■ILCの実現へ向けて
東北へのILC建設実現を図るため、令和5年に「ILC実現建設地域期成同盟会」を設立したところであり、わが国の産業競争力や技術開発力、国土開発、経済安全保障などの観点から、ILCが国家プロジェクトとして取り組まれるよう、早期実現に向けた運動を強化してまいります。
■県境を越えた広域連携の推進
平泉町や宮城県北の各市をはじめとする近隣自治体と一体となった取り組みを推進し、広域的な連携を深めてまいります。
■おわりに
新一関市が誕生して本年で20年となります。これまで、合併前のそれぞれの地域で育まれてきた豊かなコミュニティーを尊重し合い、共感し合いながら、一体感の醸成が図られてきました。
また、それぞれの地域にある自然や文化、伝統などのほか、人々の内面的なものも合わせ「郷土の宝」を探し、見つけ、育ててきました。
私たちが暮らし、好きだと感じることができるよう、今の「いちのせき」に住みたい、訪れたいと思える豊かな暮らしや働き方を実現し、誰もが健康で安心して暮らせる「まち」を目指してまいります。
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