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〔特集〕守りたい、この文化 もちが好き(1)

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岩手県一関市

正月といえばもち。いいえ、一関なら新年に限らず「もち」。
もちは、大切にしたいふるさとの景色そのものです。

■もち食文化のルーツ
年中行事のたびにもちをつき、食べる習慣のある一関地方。かつてこの地に存在したという「もち暦」によると、もちをつく日が年間60日以上もあったといいます。結婚式、七五三、葬儀…。人生の節目に食べるのはやはり「もち」。人々はもちを囲んで、喜びと悲しみを分かち合ってきました。
一関のもち食文化のルーツは、今から400年前の藩政時代。この地を治めていた伊達藩の慶弔儀礼式が、武家から庶民に普及したといわれています。伊達藩は毎月1日と15日に神様にもちを供える習慣を広めました。豊かな食材を背景に、当時の農家はおいしく食べるための工夫を重ね、その中からさまざまなもち料理が生まれました。こうして伝統の儀礼式と、多彩な食べ方が融合したこの地方独自のもち食文化が形成されたのです。

■郷土の誇りを未来へ
地域が誇る食文化を受け継ごうと、市内ではさまざまな団体がもちのPR活動に取り組んでいます。出張もちつきグループは祝い事の会場で昔ながらのもちつきを実演し、つきたてのもちのおいしさともてなしの心を伝えています。もち関連の祭りやイベントも開催され、中でも平成24年に「ご当地もちサミット」として始まった現在の「全国もちフェスティバル」は一関を代表するグルメイベントとして定着。令和6年は2日間で約1万8千人が来場し、約2万食のもち料理が提供されました。
消費拡大を目指したレシピの考案も盛んで、もともと多彩だった食べ方は和洋中あらゆるジャンルに広がり、今も増加中。こどもたちはもち給食や稲作体験学習などを通して理解を深めています。
米どころである一関地方の風土と、人と人が助け合って生きる暮らしがもち食文化を育みました。時代やライフスタイルが変わっても、もちの周りには笑顔が集まります。

■いちのせき もち あるある
1 一年中お店でもちが食べられる
もち料理を提供する飲食店のほか、産直やスーパーなどの店頭でもちが購入できます。食べ歩きには、もち料理取扱店を掲載した「一関・平泉もちMAP」が便利です。

2 食べ方がとにかく多い
280種類のレシピを掲載した「一関もち料理データベース」をインターネットで公開中。おかず系、デザート系、おつまみ系などバラエティーに富んだレシピは、年末年始にもちが余ったときにもおすすめです。

3 もちまきが大好き
あらゆるイベントでもちまきが定番。令和6年10月のもちフェスでは「国内最大級」と銘打ち約2万個のもちが4回に分けてまかれ、公募に応じた辰年生まれの12歳から96歳がまき役を務めました。

■注目されています! 一関地方のもち食文化
平成22年:一関もち食推進会議設立
平成25年:もち食文化を含む「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録される
平成28年:訪日外国人を誘致する取り組みを後押しする農林水産省の制度「農泊 食文化海外発信地域」に、一関・平泉の周遊ルート「日本のもち食文化と黄金の國の原風景」が認定される
令和元年:本市が中小企業地域資源活用促進法に基づく「ふるさと名物応援宣言」を行い、もち食文化をふるさと名物として宣言
令和4年:文化庁の「100年フード宣言・伝統の100年フード部門~江戸時代から続く郷土の料理~」に、一関・平泉の伝統的なもち食文化が認定される
令和5年:市もち食PRキャラクターとロゴマークが誕生
※詳しくは本紙をご覧ください。

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