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自治体の皆さまへ

「今だからできることをできるのが私たち」

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岩手県久慈市

7月15日から17日にかけて「全国高校生まちづくりサミット2023inくじ」が開催されました。
市の高校生まちおこし団体INSPIREが、令和4年9月に平成30年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた愛媛県西与市野村町で行われたサミットに参加したときに高校生だけで運営している姿に刺激を受け計画。
全国から参加した、まちづくりを主体的に取り組む高校生6団体約30人と3日間行動を共にし、交流を深めました。

■初めて訪れたまちで緊急避難
15日、INSPIREが月に1回銀座商店街で行っている放送「まちこえ」を使い、高校生の声でまちを元気にしている活動を紹介。その後まちあるきを行い、市の雰囲気を知ってもらいました。班に分かれ中心市街地を散策する中で、震度6強の地震が起きたと想定した抜き打ちのミッションを発令。初めて訪れた町で、携帯電話も使えない状況の中、いかに安全に避難できるのか。生徒らは突然の指令に戸惑いながらもそれぞれに置かれた状況を判断し、安全な場所に避難しました。

■私は大丈夫という謎の過信
東日本大震災の被災地でもある久慈市。震災関連の映像を紹介し、1人でも多くの人を救うためには、避難訓練の参加者を増やすことが重要と考え、ワークショップを開催しました。
元木沢自主防災組織や夏井町の地域住民も加わり、なぜ避難訓練に参加しないのか、防災意識を高めるにはどうしたらいいのかなど議論。訓練に参加する人を増やすために条例で罰則を設ける、避難訓練後にイベントを行うなどの案が多数出されました。「災害に巻き込まれて死ぬのと人生を全うして死ぬのとどちらが良いか。防災と終活は紙一重」との高校生の発表に会場が大きくうなずくなど活発な意見が交わされました。

■楽しいという思いで活動。でも…
高校生が地域に関わる活動をしている中で、周囲の人から「よくやるね」とネガティブな発言をされることがあるという参加者。活動が伝わっていない、まちおこしという言葉がひとり歩きしている、などのもどかしさを感じている思いを伝え「高校生が活動する意味」について話し合いを進めました。
活動を始めようと思ったきっかけやネガティブな発言を受ける理由、解決方法について思いを共有。何のために活動しているのかなど自分が感じているいろいろな意見を出し合いました。
みんなで導き出した答えは「今だからできることをできるのが私たち」。
高校生の強みを生かし失敗を恐れず活動することで将来の自身の生きる力となり、高校生だから得られる貴重な経験は、何事にも変えられない時間であると締めくくりました。

◆浦河高等学校(北海道)
佐藤竜郎さん
道外での活動に興味があったのと、いろいろな人との関りを通して成長したいと思い参加。抜き打ちの防災訓練も現実に近い形で実施し、防災意識を深めることができた。自分の目で見ることや感覚で感じることができて良かった。

◆東北高校(宮城県)
平山大樹さん
他の高校生と関りを持ち交流できたことが楽しかった。訪れたことがない場所での体験や三陸鉄道震災学習での学びは、とても貴重な体験。サミットで得た知識や技術を活用して、今後の地域活動に生かしていきたい。

◆関市VSプロジェクト(岐阜県)
長瀬友花さん
自分の意見を言語化できた。若さは無敵であることや自分たちが期待されているという大人の意見を聞けて良かった。人脈が広がったのでいろいろな人と関わっていきたい。自分たちも全国まちづくりサミットを開催したいと感じた。

◆N-ジオチャレ(愛媛県)
草田琴音さん
前年度からのつながりがきっかけで、災害についても学びたいと思い参加。他の団体がどのような活動をしているのか知るいいきっかけになった。出会えた仲間と交流を深めることができ充実した3日間を過ごすことができた。

◆ヤングボランティアSEED(久慈市)
斎藤和奏さん
違う発想や視点を持っている人たちと触れることができ、とても新鮮で刺激を受けた。他校のさまざまな活動内容を聞くことができ同じ高校生として、とても参考になった。仲間にも伝え、今後の活動に取り入れていきたい。

◆高校生まちおこし団体INSPIRE(久慈市)
田表日和さん
全国の団体や伴走者、関わってくれた人たちに感謝の気持ちでいっぱい。準備不足もあったが、サミットを終えて自分たちの大きな財産になった。自分もできることを続けていきたい。後輩には思いを引き継ぎ活動してほしい。

◆元木沢自主防災組織
一沢福一さん
防災ワークショップに声を掛けていただき、せっかくの機会だと思い参加。自助の重要性を再認識。避難訓練の参加者を増やすためには、イベントをして参加者を増やす、市や学校と一緒に行うなど、若い人たちの意見を楽しめた。

◆(一社)NEOのむら
上垣皓太朗さん(大阪大学学生)
3年連続伴走を務めている。議論が進み盛り上がるなか、不安な点もあったが、高校生の活発な意見交換によって成功に導くことができたと感じた。自分たちも継続して活動するため、不参加のメンバーにも共有していきたい。

◆(一社)NEOのむら
佐藤功さん(元大阪大学教授)
高校生から何か得られるのではないかと思い参加。大人たちにはないけど、高校生だからできる強みは何か、考えてほしい。私が考えている一番の強みは「高校生はお金がないこと」みんなで一度話し合ってみてほしい。

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