■久慈地下水族科学館もぐらんぴあ
館長 宇部 修(うべ おさむ)さん
◇30周年を迎えて
振り返れば、東日本大震災や新型コロナウイルス感染症などいろいろあった30年だったと思います。
たくさんの人から支援をいただいてきましたが、大きいのは、やはりさかなクンの存在。2005年からの付き合いですが、もぐらんぴあの応援団長に就任してもらい、公私ともに協力をしてもらっています。震災の年から毎年欠かさず、生き物を送ってもらっていて、展示数も増えてきました。誰にでも分け隔てなく接し、多くの人を元気づけてくれる。自分たちも頑張ろうという気持ちにさせてくれる存在です。
◇魅力ある展示
震災後、クラゲコーナーに力を入れています。現在は20個の水槽を展示。東北では山形県の加茂水族館に次いで多い展示数になっています。繁殖にも力を入れ、約10種類はもぐらんぴあで生まれ育ったクラゲです。
深海コーナーも充実。地元のはえなわ漁師さんから取れた生き物を寄付していただき、貴重な魚も増えてきています。
管理棟4階にはさかなクンコーナーを設置。さかなクンのイラストや白衣、送られてきた魚を展示しています。大きくなると水族館の水槽に移して展示。温帯の魚からは、どこかまったりとした雰囲気を感じます。
久慈の海水槽では、地元の漁師さんからいただいた魚が多く泳ぎ、久慈の海を目の前で体験できます。海女や南部潜りの実演、ガラルファ体験や魚への餌やり体験なども行っています。
◇誇れる水族館を目指して
現在岩手県立大学の学生と協力し、魅力向上に取り組んでいます。11月12日から15日の間、入館者が見学後に感じた価値に応じて料金を支払うポストプライシングを実施。展示の内容についてのアンケートにも答えてもらい、展示の内容や価格などを見直していきます。
30周年の目玉イベントでさかなクントークショーを開催しました。今後はコロナ禍以前のように、毎年開催するため努力していきます。
地域の魅力を掘り下げて、外の人に紹介していける施設にし、地域の人にとって誇らしい水族館を目指していきたいです。地元の魚を取り上げたり、展示や企画展を増やして内容を充実させるなど、多くの人に来ていただけるような環境づくりに取り組んでいきます。
■クリスマス企画展「たくサンタ‼」開催中
期間:12月1日(日)~25日(水)
期間中たくさんの楽しいイベントを開催。詳しくはもぐらんぴあのHPを確認ください。
■スタッフおすすめの生き物
もぐらんぴあのスタッフの皆さんにおすすめの生き物を紹介してもらいました。
もぐらんぴあに探しに行ってみましょう!
◇アズマヒキガエル 淡水コーナーに展示
東日本に生息するヒキガエルで、市内でも見ることができます。学名は、Bufo japonicus formosusといい、ハンサムな日本のヒキガエルという意味です。他のヒキガエルよりもりりしいアズマヒキガエルの顔を、是非見に来てください。
展示課 宇部匠海(うべたくみ)さん
◇キタミズクラゲ クラゲコーナーに展示
北海道からやってきたクラゲです。ミズクラゲに似ていますが、かさのふちが茶色くなっているところが特徴です。久慈の海では、これまでに合計30種類以上のクラゲを採集しました。クラゲには顔がなく、生き物感の無いところが魅力です。
展示課長 関合雅敬(せきあいまさのり)さん
◇かめ吉(アオウミガメ) トンネル水槽に展示
トンネル水槽を泳ぐアオウミガメのかめ吉です。東日本大震災の数年前に久慈沖で網にかかり、もぐらんぴあにやってきました。震災を生き抜いた生物で、もぐらんぴあのシンボルです。いつまでも元気に泳ぎ、ずっとシンボルでいてほしいと思っています。
館長 宇部修(うべおさむ)さん
◇イシガキフグ トンネル水槽に展示
定置網に引っかかり、もぐらんぴあにやってきました。久慈の近海にもいますが、暖かい海に多く住んでいます。トンネル水槽には数種類のフグたちが泳いでいますが、手を向けると近づいて来てくれます。餌をくれると思っているのかもしれません。トンネル水槽に来た時には、ぜひ手を向けてフグを呼んでみてください。
展示課 大久保勇哉(おおくぼゆうや)さん
◇ハワイウツボ さかなクンコーナーに展示
管理棟4階のさかなクンコーナーにいるハワイウツボがおすすめです。ぷくっとしたフォルムがかわいらしく、いつも眺めています。さかなクンコーナーには、さかなクンが送ってくれた暖かい海で暮らす魚を展示。人気者だったサザナミフグのぽんちゃんのはく製も飾られています。さかなクンの手書きイラストで紹介されているので、ぜひ見に来てください。
総務課、海女 坂本梓沙(さかもとあずさ)さん
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