男女共同参画社会の実現を目指して～アンコンシャス・バイアスについて考えてみませんか?～

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皆さんは「アンコンシャス・バイアス」という言葉を知っていますか?
男女共同参画社会基本法において、男女共同参画社会の実現は21世紀の最重要課題として位置付けられていますが、その実現が十分でない要因の一つとして「アンコンシャス・バイアス」が挙げられます。
本号では、その「アンコンシャス・バイアス」の問題点について考えていきます。

■アンコンシャス・バイアスとは?
普段の生活の中で、無意識に「これは男性がすること」「これは女性がすること」というイメージを抱いたりすることはありませんか?
自分では気付いていない思い込みや偏ったものの見方を「アンコンシャス・バイアス」と呼び、何げない言動として現れます。
アンコンシャス・バイアスは、これまで培ってきた経験や知識、育った環境、周囲から見聞きしたことに影響を受けて自然に刷り込まれた、誰にでもあるものです。

例えば、次のようなことを思ったり、感じた経験はありませんか?
・仕事より育児を優先する男性は仕事へのやる気が低い
・親戚や地域の会合で食事の準備や配膳をするのは女性の役割だ
・女性に理系の進路(学校・職業)は向いていない
・男性は人前で泣くべきではない
・女性には女性らしい感性があるものだ
・組織のリーダーは男性の方が向いている
・PTAには、女性が参加するべきだ
・男性は結婚して家庭をもって一人前だ
・家事・育児は女性がするべきだ
・共働きでも男性は家庭よりも仕事を優先すべきだ
・女性は感情的になりやすい
・男性は仕事をして家計を支えるべきだ
引用：「無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)チェックシート」　内閣府男女共同参画局

■どんな影響があるの?
私たちは、過去の経験や周囲の人間から得た情報などから無意識のうちに物事を判断しています。
しかしながら、自分が持っているアンコンシャス・バイアスに気付かずにいると、勝手な思い込みを相手に押し付けてしまい、知らず知らずのうちに相手を傷つけたり、相手に誤った評価をしてしまったりすることがあります。
そして、自分のことを「男性だから」「女性だから」などと思い込んでしまうことで、自分自身の可能性を狭めてしまうことにもつながります。
内閣府が令和4年度に行った性別役割に関する調査(図(1)参照)では、上位に入っている項目が男性は主に家庭やコミュニティが多いのに対し、女性は家庭やコミュニティのほか職場でも言動や態度から性別役割を決めつけられた経験があることが分かっています。

〔図1〕「直接言われた」あるいは「言動や態度から感じた」経験(単位：%)

引用：「令和4年度　性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究」　内閣府男女共同参画局

■思い込みを減らすために
アンコンシャス・バイアスは私たちの周りにあふれ、誰にでもあり、完全になくすことはできません。大切なのは、自分の判断が思い込みではないかと疑い、気付くことです。
「どうせ無理だ」「みんな〇〇だ」「こうあるべきだ」といった言動に気付いたら、その言動が無意識による思い込みかどうかを一度考え直し、自分自身の心を客観的に見つめ直してみましょう。
アンコンシャス・バイアスへの気付きは、性別にとらわれない社会を実現するための第一歩です。

◇アンコンシャス・バイアスを減らす3つのポイント
(1)「べき」「普通は…」に注意!
「男性なら残業するべき」、「普通は女性なら結婚するものだ」など決めつけてしまう前に、立ち止まって考えてみましょう。

(2)相手の「サイン」を見逃さない
自分の言動で相手が違和感をもっていそうと感じたら、自身のアンコンシャス・バイアスから出た言動で相手を傷つけたのではないかと振り返ってみてください。

(3)自分の思い込みに気付く
自分の行動や言動に対して、それが思い込みによるものかどうか自分自身に問いかけながら、自分の考え方や物の見方を振り返ってみましょう。

■誰もが個性や能力を発揮できる社会に
町では、男女が一人ひとりの個性と能力を十分に発揮できる社会の実現を目指して、令和2年度に第2次住田町男女共同参画計画を策定し、各種取り組みを進めています。現在、この計画が本年度に最終年度を迎えていることから、これまでの取り組みの成果などを踏まえた次期計画の策定を進めています。
本町が今後も住みやすく活力あるまちとして発展していくためには、町だけでなく、町⺠一人ひとりがそれぞれの個性を輝かせ、さまざまな活動に取り組んでいくことが重要です。町の取り組みに、ご理解をよろしくお願いします。

計画は、町ホームページ(QRコード)に掲載しています。
※QRコードは本紙参照

問い合わせ：教育委員会　生涯学習係
【電話】46-3863