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特集 JR八戸線の軌跡(2)

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岩手県洋野町

■interview JR八戸線を利用している皆さんの思いを伺いました
○高屋敷楓花(ふうか)さん(種市高3年)、中村うきのさん(種市高2年)
八戸線に乗って種市高校に通う高屋敷楓花さんと中村うきのさん。最寄り駅が同じということもあり、車内で多くの時間を一緒に過ごしてきたそうです。「イケメンの先生の話や、部活の作戦会議をしています」と車中での会話を教えてくれた楓花さん。少し人見知りなうきのさんは「高校に入学し、八戸線に乗りたての頃は、緊張と不安でいっぱいだったけど、楓花さんが一緒にいてくれたから、心強かったです」と当時を振り返りました。八戸線の魅力を聞くと「車窓から広がる青い海は季節ごとに色々な表情を見せてくれます」と答えてくれた楓花さんに同調するうきのさん。「これから寒くなると足元の暖房が暖かくて窓際はひんやり。こたつに入ってアイスを食べているみたいで好きです」と笑い合う二人。
卒業を控えた楓花さんは「八戸線のおかげで楽しい高校生活を送ることができました。後輩たちのためにも、これからもずっと走り続けてほしいです」と感謝と希望を話しました。

○大久保カツさん(宿戸)
「黒い煙を上げて走る蒸気機関車が勇ましくてね」と当時を思い出しながら話してくれた大久保カツさん。93歳になる現在も八戸線を利用し、お手伝いで働いている種市にあるお寺に通っています。「寺の手伝いもそろそろ潮時だけど、おばあちゃん(カツさん)は辞めないでってみんなが言ってくれるから」とうれしそうに話します。
どこに行くのも歩くのが当たり前の時代に、米などを買いに行くときは、親と一緒に八戸線に乗って種市まで行っていたという。「珍しくてね。自分が特別な事をしているんじゃないかってね。乗っているだけで面白かったよ」と懐かしむカツさん。
結婚して3人のお子さんを育てながらお寺で働き始めたのは、昭和40年頃のこと。「汽車はまだまだ元気だけど、私はもうあちこちガタがきて」と困り顔で笑みを浮かべます。来年で種市駅が100周年を迎えることを伝えると、感心した様子のカツさんは「100歳になるの。お互い長い間稼いだね」と。
そして「もう少しだけ稼いで、もう少しだけ汽車の世話になるかな」と目を細めて呟きました。

■有家駅には、自由に書き込めるノートがあり、通学で利用する人や旅で訪れた人などの様々な思いが記されてます。
・キハ40の乗り撮り納めの一環で群馬から来ました。
晴れた昼間だったことから待合室が温かく感じ、夏とは違った印象を受けました。最終の新幹線で函館に行く予定ですが、時間が許す限りキハ40を満喫しようと思います。
・うすぐもりあついあつい日です
・最高の駅。鉄道旅情の極み。
いつまでも、この駅で波の音を聴きながら日が暮れていく時の流れを味わいました。
東京駅も有家駅もJR東日本。←スゴイ。
そして鉄道ロマン。
・おめでと!卒業したど〜!
・無人駅は風情があってイイね!
・千葉県から来ました
待合室からうみが見えるのは良いですね
景色も雰囲気も良いので、散歩していて気持ちがいいです

■日常の風景のこれから
友達と話をしたり、疲れ果てて眠り込んだり、時々勉強したり。車内の空気感、車窓からの眺め、レールのつなぎ目で刻むリズム。
取材のため八戸線に乗った瞬間、思い出がよみがえりました。
移動は車がメインとなりましたが、列車が走る沿線の風景は日常として溶け込んでいます。
しかし、この当たり前の風景が、これからは守らなければいけない風景に変わりつつあるのかもしれません。
町の発展を支え、地域に根差した八戸線。その未来に思いを巡らせながら、列車を降りました。
(特集終わり)

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