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私たちと、馬とたきざわと、馬と。誇るべき郷土の馬事文化

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岩手県滝沢市

■たきざわとチャグチャグ馬コ
遠く奈良時代から馬産地として有名だった岩手県。馬は、はじめは軍馬、やがては物資運搬などの目的で人と深いつながりを持っていましたが、中でも最も深かったのは、農業を通したつながりでした。農業でへとへとになった馬をねぎらい、馬体安全祈願として、農民たちが馬の神を祭る鬼越蒼前神社へ参拝していたことに端を発したのがチャグチャグ馬コです。
今日のように行列を成して行進するようになったのは、江戸時代後期以降と言われており、行進路が鬼越蒼前神社~盛岡八幡宮になったのは昭和5年(1930年)ころからと伝えられています。

■チャグチャグ馬コの盛衰
チャグチャグ馬コに最も多くの馬が出場したのは軍国主義の盛んな時代(1930年代~)で、その数は3千頭とも言われています。
一方で、高度経済成長期(1950~70年代頃)には農業の機械化が進み農耕馬が急激に減少、昭和32年の出場馬はわずか23頭だったという記録もあります。しかし、ここで伝統を絶やしてはいけないという有志によって「チャグチャグ馬コ振興協賛会」が発足し、その頑張りもあって昭和45年には出場馬は100頭まで回復します。これがきっかけで一躍脚光を浴びたチャグチャグ馬コは、昭和53年に文化庁から「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に、平成8年にはその鈴の音が「残したい日本の音風景100選」に選ばれます。

■再び直面する課題
長い歴史を誇り、今日に至るまで多くの皆さんの努力で「たきざわといえば」の座を守り続けてきたチャグチャグ馬コですが、近年再び出場馬の減少が顕著になっています(図)。直近の数年間を比較してもその傾向は明らかで、ピークだった平成2年の102頭と比較すると、令和5年の出場馬は55頭と半分近くまで減少しています。
一方で、今年1月、盛岡市がニューヨークタイムズ紙で「2023年に行くべき52カ所」に選出されたこともあってか、令和5年のチャグチャグ馬コ当日の観光客数は過去最多の22万3千人を記録しています。今、郷土たきざわの誇るべき文化が、世界から注目を浴びているのです。

▽(図)馬コ行進行事の出場馬数(役員馬を除く)と観光客数の推移(盛岡市から提供)
※令和2、3年度はコロナの影響で開催なし。

■継承と保全に向けて広
報たきざわでは、これまでにたくさんの笑顔にあふれた「人と馬のつながり」を写してきました。かつて日常だった馬と触れ合える機会は、今日では貴重な機会になりつつあります。
今、たきざわの文化が世界に注目されていることを好機と捉え、抱えている課題を広く発信し、市と馬コの現状を多くの人に知ってもらい、「応援者」を増やすことがチャグチャグ馬コの未来を守る一助となるかもしれません。

■守り、つないでいくために 馬コの保全と継承のためクラウドファンディング開始
出場馬の減少は、馬の維持にかかる負担の大きさなどに原因があることから、市では、ふるさと納税制度を活用したクラウドファンディングを開始します。寄付金の一部は馬コ関係者へ還元されます。市の伝統を守るため、皆さんの温かい支援をお願いします。
期間:9月8日(金)~12月6日(水)
目標金額:300万円
※目標達成後も期間内であれば寄付が可能
寄付金の使途:チャグチャグ馬コ開催のための資金や装束馬の派遣費用、市有馬の維持費や仔馬の無償譲渡の資金など
返礼品:現在市でふるさと納税の返礼品としているものの中から、寄付金額に応じて選択できます。ただし、市に住民票がある人は、寄付はできますが返礼品贈呈の対象にはなりません。
※ページの開設は寄付期間開始(9月8日)以降です。

問い合わせ:観光物産課
【電話】656・6534

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