■子どもの発達の特徴~規則性と個人差~
子どもの発達には、順序や一定のパターンがあります。例えば、赤ちゃんの時期は首据わりから寝返り、腹ばい、お座り、ハイハイ、つかまり立ち、伝い歩き、一人歩きというように発達が進みます。
また、発達の転換期として、1歳6カ月ころに「自我の芽生え」「興味関心の広がり」、2歳6カ月~3歳ころに「自我の拡大と充実」「感受性の増大」、4歳~5歳ころに「自励心・自制心の発揮」があり、それぞれに合わせた関わり方が必要になります。
一方で、発達には個人差があります。赤ちゃんの時期でいえば、ハイハイをする前につかまり立ちをするなど、順番通りに発達が進まないことがあります。また、1歳6カ月を迎えても周囲への興味が広がらないなど、規則的に進まないこともあります。このようなケースの場合、個人差によるものなのか、それとも発達に課題が見られるのか、悩む保護者もいるのではないでしょうか。
子どもにとって良いことであると考える支援を行っても、なかなか伸びが見られない場合や、集団の中で過ごすことが難しい様子が見られることがあります。それは子どもの苦手な部分と声掛けなどの関わりも含めた環境が合っていないことが考えられます。
子どもにそうした様子が見られる場合、一見困るのは、関わりのある周りの大人のように思われますが、子ども自身が一番困っている状況が考えられます。子どもが苦手と感じるものは何か、それに合わせた関わりや環境設定はどうしたら良いか、まずは相談してみましょう。
■子どもの「そだち」に関する相談
スマートフォンが普及し、インターネットやSNSで子育て情報を身近に受け取れるようになった現代では、子育ての悩みを解決してもらったり、助けになる意見を見つけやすくなりました。
一方で、参考になる意見を試してもうまくいかなかったり、理想通りに振る舞えず「自分はなんてだめな親なのか」と落ち込んだことはありませんか。
親であるあなたも、子どもも、世界中を探しても同じ人はいません。子どもに合わせた関わり方について相談してみましょう。
■個別育児相談
子育てをしていく上での心配や不安(言葉が遅い、他の子とうまく遊べないなど)のある人を対象に、発達相談員や保健師が相談に応じます。秘密は守られます。
相談は月2回、木曜日に市民福祉センターで開催しています。相談を希望する人は、こども家庭センター【電話】656・6526へ申し込んでください。
■そだち・ことばの教室
個別育児相談の結果、必要な人へ案内し、継続的に相談を実施します。
■今から変えたい「ポジティブな声掛け」
子どもの行動で気になることや困ったことがあったとき、つい「○○しないで」と注意したくなります。しかし、子どもにとっては「自分に構ってくれた」と思い、注意された行動を繰り返してしまうことがあります。子どもの良い行動に着目したポジティブな言葉を掛けることで、子どもの積極性を育てましょう。
(1)やめてほしい行動よりも、良い行動、増やしていきたい行動に着目した声掛け。
例:
×走らないで
○ゆっくり歩こう
○忍者みたいに静かに歩けてかっこいいね
(2)行動を分けて、小さなできる事から段階的に褒める。
例:ズボンを一人で履く動作膝までズボンを履かせ、腰まで自分で上げられたら褒める。
(3)具体的に伝える。
例:
×ちゃんとして
○手はお膝に乗せよう
○背筋を伸ばしましょう
■今から変えたい「生活環境」
子どもの成長には「早寝・早起き・朝ごはん」がとても重要です。睡眠が十分でなかったり、朝ごはんを食べていないなどの状況では、日中の活動にも身が入りません。「先生の話を聞けていない」の背景には、おなかが空いている、眠いなどの要因により集中できていない場合があります。まずは早寝・早起き・朝ごはんの生活リズムを整えましょう。
また、子どもにとっての遊びは、食事や睡眠と同じく成長に不可欠なものです。遊びの中で力の使い方や指の動かし方を知り、その成果として箸の使い方が上手になるなど、さまざまな力が育ちます。
このような成長の機会は遊びに限りません。例えば、家庭での手伝いを通して、物事を聞き覚えたり、人に伝えたりするコミュニケーション力や、数を意識する力などが身に付きます。特別なことだけでなく、さまざまな経験から子どもは成長します。
スマートフォンで動画を視聴させる方法などは、静かにしなければいけない場面などで活用しつつ、たくさん動いたり、考えたり、話ができるような遊びや経験を、日々の生活の中で取り入れて行きましょう。
■子育てのワンポイントアドバイスを参考に
県生涯学習情報提供システム「まなびネットいわて」では、小学生以上も含めた年齢別の子育てワンポイントアドバイスを掲載していますので、参考にしてください。
問い合わせ:こども家庭センター
【電話】656・6526
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