本市出身のプロ野球選手が実は3人もいます!滝沢二中出身で北海道日本ハムファイターズ所属の松本遼大(まつもとりょうだい)選手(投手)、滝沢中出身でオリックス・バファローズ所属の大里昂生(おおさとこうせい)選手(内野手)と齋藤響介(さいとうきょうすけ)選手(投手)の3選手です。
本号では、特集記事で大里選手を、また「たきざわ×わかもの紹介」(本紙13ページ)で松本選手を紹介します。さらに、次号以降では齋藤選手も「たきざわ×わかもの紹介」コーナーなどで紹介していく予定です。
市では「広報たきざわ」や各SNSなどで、今後も3選手の活躍などを伝えていきます。皆さんで3人の活躍を応援していきましょう!
■“らしく”大里昂生
プロ野球オリックス・バファローズに所属する背番号64番、大里昂生選手。大里選手は本市の出身で、滝沢小―滝沢中―盛岡大学付属高までを地元である本市で過ごし、東北福祉大学に進学。その後、2021年のプロ野球ドラフト会議にて、育成3位指名を受けオリックス・バファローズに入団した。入団2年目には早くも支配下登録選手となり、昨シーズン途中にプロ初先発出場を果たすと、合計51試合に出場するなどチームの主力選手として活躍した。
▼父との関係
インタビューを進めるにあたり、はじめにプロフィールカードを記入してもらった。好きな時間は「風呂上がりのアイスの時間」。「昂生はアイスで育ちましたから」と、同席した父の純啓(よしひろ)さんが冗談っぽく笑いながら話した。大里選手も「朝からアイス食べてたもんね」と純啓さんと目を合わせ笑った。純啓さんに持ってきてもらった幼少期の写真を見て「格好良くなったなぁ俺」と少し照れたように笑う大里選手と、それを優しい笑顔で見る純啓さんの様子から、2人の関係の良さが見えるようだった。純啓さんは「一緒に野球をやっていた子どもたちが、小学生のときはみんなプロ野球選手になると言っていたが、中学生になると自然とその夢を口にしなくなっていった。でも昂生はずっと言っていた気がする」と語った。だからこそ大里選手が「プロ野球選手になるために野球を頑張る。だから勉強しない」と純啓さんに宣言した際も「じゃあ野球にしっかり打ち込め」と背中を押したという。
▽大里選手が記入したプロフィールカード
▼人生の分岐点
人生の分岐点となった高校への進学の際も、純啓さんと相談し進路を決めたという。進学した盛岡大学付属高等学校は、甲子園大会に幾度も出場している県内屈指の強豪校。それまで漠然と野球を楽しんでいた大里選手も、一段とレベルの高い他の選手と同じ環境でプレーするうちに、野球そのものに対する向き合い方が変わったという。
「初めて大きなけがをして練習できない時期もあったし、悔しい思いもたくさんしました。その中で、もっと野球を楽しむにはどうしたらいいかと考えたときに、当たり前のことですけど〝もっと上手くなったら良いんじゃないか〟と思って、練習や普段の生活に対する意識が大きく変わりました」と語る大里選手は、高校3年次にはチームの主力選手として、春の選抜高等学校野球大会、夏の全国高等学校野球選手権大会に出場し、共にベスト8進出の成績を残した。「自分で言うのも変な感じですけど、あのときのチーム強かったですよね」と嬉しそうに話す様子からも、当時の努力と、それによって得られた自信がうかがえるようだった。
▼プロ野球選手として
苦手な食べ物「らっきょう」から話が広がり、苦手な食べ物の共通点から酢が苦手なのではとの質問に対し「でも、大好物の冷麺には酢かけて食べるんですよ」と話し「ちょっと難しいんですよ、わがままなんです」と笑いながら続けた。そんな大里選手に「プロ野球選手として、野球に対するわがまま、こだわりは?」と質問すると、これまでと一転、凛とした様子で「野球に関しては、プライドとかは今は捨てています」と答えた。
「今の環境は周りに上手い選手、すごい選手ばかりで、自分が一番なことなんて存在しないと思っています。日々学んでばかりです」と語る大里選手だが、直近のシーズンではプロ野球の大舞台で活躍していた。そんな大里選手でも―。と質問を続けると「コンスタントに試合に出られましたが、最終的な数字を見るとまだまだかなと思います。次のシーズンではもっとアベレージを上げることが目標です」と語った。「2割8分くらいは欲しいよなあ」純啓さんの少しちゃかしたような発言で、場の空気はまた柔らかさをまとった。
「内野がどこでも守れるというのは自分の武器だと思うので、ポジションに関係なく、まずは試合に出て、結果を残していきたいです」大里選手は笑顔を交えながらも力強く語った。
インタビューの最後に「ぜひ市の野球少年・少女へメッセージを」とお願いすると「うわぁ、俺こういうのめっちゃ苦手なんですよ」と困りながらも「こんな内容でも良いですか?」といたずらっぽい笑顔で見せてくれたメッセージが「スイカで育とう」だった。「だって夏ってスイカ必須じゃないですか。せっかくスイカが美味しいところだから」最後まで大里選手の〝らしさ〟溢れる回答にその場にいる全ての人が笑顔になった。
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