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映画と本でみるもりおか(1)

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岩手県盛岡市 クリエイティブ・コモンズ

盛岡には自然や暮らしの中にさまざまな魅力があり、文学・映像作品※が生み出されてきました。また、街なかには、映画や本に日常的に親しむ文化が見られます。今号では、映画と本から盛岡の魅力を深掘りします。
※令和以降では、書籍『雲を紡ぐ 作/伊吹有喜』や『氷柱の声 作/くどうれいん』、映画『影裏 原作/沼田真佑 監督/大友啓史』など

■もりおかと映画のはなし
盛岡の中心市街地にある映画館通り。盛岡と映画との関わりは明治から大正時代、活動写真や大衆演劇などが、専門の劇場で上映されたことに始まります。昭和10年頃になると、多くの映画館が大通に開館し、軒を連ねたことから「映画館通り」と呼ばれるようになりました。
盛岡の財産である映画館通りで映画によるまちづくりに力を注いできた皆さんにお話を聞きました。

▼Q.盛岡における映画とは?
暮らす人の近くにあるもの

▽映画の力プロジェクト
代表 工藤 昌代(まさよ)さん
副代表 高橋 大(まさる)さん
「映画には一体感を作り出すチカラがあります」
平成23年、東日本大震災津波の後、大友啓史(けいし)監督の呼びかけをきっかけに発足。「盛岡映画祭2012~2013」の実行委員を務めるほか、映画を通して、市民や街が元気になるようなイベントなどを企画している。

高橋さん:盛岡には全国でも珍しい「映画館通り」があり、みんなに愛されてきました。
工藤さん:映画館通りが街なかにあることで、気軽に映画を見られるのは大きな魅力。その環境は盛岡出身の多くの映画関係者に影響を与え、さらには国際映画祭をやろうという熱意のある人たちを生み出してきました。こういったコミュニティが生まれる文化を残し、記録してメッセージを発信する、そしてそれらを受け継ぐ人がいるのも盛岡ならではです。
高橋さん:映画館通りを作ってきた人や、映画を身近に感じてきた人が、今の「映画の街もりおか」を守り、発展させてきたのだと思います。
映画は、みんなで見ることに特別な力があります。震災後まもなく、宮古の小さな映画館ではスクリーンの主人公たちに子どもたちが声援を送る姿がありました。みんなで一斉に笑ったり涙したり、一体感を持って楽しんで、時には知らない人とも語り合えるような高揚感を生むのが映画なのだと思います。
工藤さん:私たちは公園や川のそばなどさまざまな場所で上映会を開催してきました。お客さんは幅広い年齢層でしたが、皆さんとても映画を楽しんでいました。上映する場所が変わっても、作品に力があればみんなで楽しむことができます。その力を生かしていけば、「映画の街」の雰囲気がもっと浸透し、盛岡に関わる全ての人が、盛岡をより一層好きになると信じています。

▼MORIOKA 4THEATERS
個性豊かな市内4つの映画館をピックアップ!

▽盛岡ピカデリー(中央通一)・盛岡ルミエール1・2(菜園二)
南部興行(株) 社長
小暮 信人(こぐれ のぶひと)さん
「映画ファンに愛される劇場でありつづけたい」
盛岡で興行を60年、今も「いらっしゃいませ」とあいさつをして、チケットを受け取る。この距離感が好きと通ってくれるお客さんがいます。心を奮い立たせる作品を、スクリーンを通して映画ファンに届けたい。映画館通りを大切にして、盛岡に映画の灯を残したいです。

▽フォーラム盛岡(大通二)
フォーラム盛岡 マネージャー
小原 拓郎(おばら たくろう)さん
「盛岡の街と人と映画をつなぐ場づくりを!」
映画のテーマに合わせたイベントを市内のお店と共同開催するなど、映画と街歩きを楽しめるのが当館の魅力です。周辺には魅力あふれるお店がたくさんあります。また、盛岡さんさ踊りの時は、ゆかたで映画を楽しむ人も多いなど、催しの時は映画館と街なかの一体感がありますね。

▽中央映画劇場(大通一)
(株)中央映画劇場 取締役社長
幾田 和実(いくた かずみ)さん
「市民みんなが楽しめる作品を上映しています」
当館は、若い人に映画館で映画を見る楽しみを知ってほしい、また映画館で見ることから離れていた人に思い出してほしいという思いで10年以上前から「午前十時の映画祭」を開催しています。最近では作品に懐かしさを感じているお客さんも多いですね。そういった点では、盛岡の映画文化の継承の一翼を担えているのかなと感じています。

■もりおかと本のはなし
盛岡は平成29年に1世帯あたりの書籍購入金額が全国1位になったことがある※など、読書好きが多い街です。市内には店舗の大小だけでなく、商品の取り扱いや書店としての新たな取り組みなど、それぞれの特徴を持った書店が多くあります。さまざまな書店で本を選ぶことができる楽しさ、そんな環境が、読書好きを多く生み出しているのではないでしょうか。
盛岡で50年以上にわたり書店を営む2店舗で、盛岡と本の関係についてお話を聞きました。
※「政府統計の総合窓口(e-Stat)」、調査項目を調べる-家計調査(総務省)教養娯楽「書籍」

▼Q.盛岡における本とは?
人と街が育んできたもの

▽(株)東山堂(中ノ橋通一)
店売部 副部長
神 麻子(じん あさこ)さん
「ゆかりの作家さんが多いのも盛岡の特長。郷土コーナーも充実していますよ」
当店は、明治38年創業で市内に5店舗、北上市に1店舗展開しています。肴町本店では、お店のレトロな雰囲気を味わってもらえるよう木の什器(じゅうき)を残すなど、全ての店舗でお客さんがふらっと立ち寄れるよう、垣根のない店づくりをしています。
盛岡に住んでいないとなかなか買えない、盛岡ゆかりの作家のサイン本を取り扱うなど、地元の本を打ち出すことも大切にしています。書店に来てもらうことで予期せぬ本との出会いがあるので、ぜひ気軽に足を運んでください。

▽(株)さわや書店(大通二)
外商部兼商品管理部 部長
栗澤 順一(くりさわ じゅんいち)さん
「本は自分の知らない世界を追体験でき、糧になるもの。書店はそんな本との出会いの場」
当店はスタッフがそれぞれの視点で手書きのポップなどにより本の魅力を自由に紹介しており、その店舗ならではの本との出会いがあると思います。
盛岡が「本の街」と言われるのは、「書き手(作家)」と「売り手(書店)」と「読む人」がつながり、いいあんばいに循環が成り立っているからではないでしょうか。また、盛岡には「映画」や「演劇」そして「喫茶店」という人が集まる場があって、文化が育まれてきたように感じています。ぜひ街の書店やさまざまな場所に足を運んで、その雰囲気を味わってください。

あなたも街に出て、新しい映画や本と出会ってみませんか?

問合せ:
都市戦略室【電話】613-8370
経済企画課【電話】613-8389

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