■HEALTH TECH TOLICで医療テクノロジーの先端へ
市は、成長産業と位置付けるヘルステック産業の振興を図るため、企業間・産学官金の連携を促進し、人材の育成・確保・定着を推進するTOLICの活動を支援しています。
▼TOLIC(トーリック)とは
TOLIC…東北ライフサイエンス・インストルメンツ・クラスター
片野圭二(けいじ)代表幹事
ヘルステック関連企業の集積拠点を盛岡に形成することを目指す産学官金の連携組織。平成26年に設立し、企業38社と学術機関・高等教育機関など47団体が加盟しています。研究開発型の企業を中心に民間主導で開発から製造・販売までを地域で展開し、世界と直接ビジネスをするため、海外展示会への出展や海外マーケティングなどを積極的に行っています。新規事業15件の創出、企業11社の設立など着実に成果が生まれており、TOLICの活動は全国から注目されています。
▼こんな事をしています!TOLICの取り組み
▽唾液によるがんの簡易検査サービスを開発!
人工知能(AI)を活用し、最大13種類のがんの検査ができるサービスの実用化に取り組んでいます。それまでの検査に比べて体への負担が少なく、3日間程度で結果が分かるほか、費用を抑えられるのが特徴。装置の開発から解析まで、会員企業5社が中心に取り組んでおり、国内外への普及が期待されます。
▼受賞歴
・第28回東北ニュービジネス大賞表彰「東北ニュービジネス大賞」(令和4年3月)
・第12回地域産業支援プログラム表彰「経済産業大臣賞」(令和5年6月)
▼ロボットで人と医療をつなぐ
(株)東北医工 大関一陽(かずあき)代表取締役
日本では脳卒中患者に対して、作業療法士の数が圧倒的に不足しており、少子高齢化が加速する中、医療現場の負担軽減と治療機会の増進につながるリハビリロボットのニーズが増えていくことに着目しました。初号機の開発着手から10年、令和6年度から国内販売を開始する予定であり、「テクノロジーで人と医療の架け橋になる」を社是としています。
写真:ゲーム機能を取り入れるなど、楽しく手指のリハビリができる「医療機器としての脳卒中リハビリロボット」を岩手大などと開発。「ビジネスコンテストX-Tech Innovation(クロステックイノベーション) 2022東北地区最終選考会」では、県内企業初となる最優秀賞を受賞。
※写真は本紙をご覧ください。
▼「オール盛岡」で世界へ
セルスぺクト(株) 岩渕拓也(たくや)代表取締役
新型コロナ感染症の診断薬を全国で先駆けて開発し、薬事承認を得ることができました。厚生労働省の検査キット全国供給拠点として、その緊急製造を盛岡地域の延べ1000人以上の皆さまにお手伝いいただきました。製品の開発・製造・販売の全てを盛岡で行っており、地域の皆さんとアイテムを生み出し、育てていくことにやりがいを感じています。
写真:自宅で簡単に、健康診断で使われる項目や感染症などを検査できるサービスを展開しているほか、歯周病の検査キットや子宮内膜症性卵巣がんの検査装置などを開発。ネコの健康チェックができる検査キットは「2023年度グッドデザイン賞」を受賞。
※写真は本紙をご覧ください。
▼次世代人材育成について
TOLICでは、地域の次世代を担う学生などの人材育成に力を入れています。インターンシップの受け入れのほか、TOLIC会員などの寄付によりドイツで開かれる世界最大級の医療機器展示会「MEDICA(メディカ)」に学生を派遣しています。
▽MEDICA2023に行ってきました!
盛岡第一高 2年 小笠原くうらさん
MEDICAでは実際に商談を体験し、世界中の来場者に英語で製品を紹介しました。初めは不安もありましたが、「単語だけでも話してみよう」と楽しみながら臨むことができ、多くの人と名刺交換をし、製品に興味を持ってもらえました。将来は医師として世界中で働けるよう、今回の経験を生かしていきたいです。
▼TOLICをもっと知りたい人へ
TOLICでは、会員企業の事業紹介や学生の研究成果発表、国内外の学術機関による最先端の研究発表などを盛り込んだ「TOLICカンファレンス」や「ヘルステック・デバイス・フォーラム」などのイベントを開催しています。
また、ヘルステック関連の企業が入居するヘルステック・イノベーション・ハブ(HIH)の展示スペースでは、TOLIC会員企業をはじめとしたHIH入居企業の製品や取り組みを紹介しています。詳しくは、TOLICホームページをご覧ください。
問合せ:
ものづくり推進課【電話】626-7538
立地創業支援室【電話】626-7551
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