■地域に寄り添う医療を目指して
県立軽米病院院長
葛西敏史
KASAI TOSHIFUMI
令和5年度へき地医療貢献者表彰を受賞した、県立軽米病院の院長である葛西敏史先生。へき地医療貢献者表彰は、15年以上にわたって山村・離島等の医療確保に尽力した医師に対して贈られるもので、葛西院長はこれまでの26年間という長い期間、軽米町の医療を支えている。
父と祖父が医師という環境で育った葛西院長は、父の背中を見て自然と医師を志したという。「父が周りの人から感謝されているのを見て誇らしかった」と幼少期の記憶を振り返る。岩手医科大学を卒業後は大学院などを経て、平成9年から父も勤めたこともある軽米病院での医師生活がスタートした。以来、自分の仕事に没頭し充実した日々を過ごしてきた。
軽米病院に赴任した頃は、先輩医師の熱心な指導を受けながら多くの手術を経験することができた。唯一の外科医としてプレッシャーも大きく、結果が思わしくないこともあったが、皆さんの「先生のところに来て良かった」との言葉が医師としてのやりがいとなっている。
「小さい病院だからこそ、アットホームで看護師など働く人たちが働きやすいような職場づくりにも努めたい」院長という立場になり、病院の経営と病院スタッフへの気づかいを常に考える。
人口減少が進む中、多くの先輩医師と共に築いてきた軽米病院を「何とか存続させていきたい」と葛西院長は願う。若い世代にバトンを繋ぐことが、これからの軽米町の医療を守り続けていくために必要と後進の育成に力を注ぐ。
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