■夢や希望を与えられる消防官に…
二戸広域初の女性消防官
苅敷山凜
KARISHIKIYAMA RIN
幼いころから人の役に立つ仕事に就きたい、特に現場にいち早く向かい救助などを行う消防官に憧れを抱いていた苅敷山凜りんさん(下野場)。消防学校での厳しい訓練を乗り越え、二戸地区広域行政事務組合消防本部で初めての女性消防官となった。
4月8日の岩手県消防学校入校式。消防官を志す63人に、女性は過去最多の10人が入校した。消防学校での生活は、想像以上に厳しい日々だった。男女問わず班行動が基本とされ、訓練や体力トレーニングだけでなく、法令や消防機材の知識、建築についても学ぶ。「初めてのことばかりで戸惑ったが、仲間と支え合い、励まし合いながら乗り越えることができた。今思うと楽しい日々だった」と笑顔を見せた。明るく快活なところが同僚からも期待されている。
もともと憧れはあったが「消防官は男性の仕事というイメージが強く、女性ではなれないかもしれない」と諦めかけていた。進路に悩んでいたとき、女性の消防官が救急車を運転している姿を見て夢を追う決心をした。そして見事、公務員試験を突破し、消防学校の門をくぐった。
今年の10月から消防官として歩み始め、早速、初めての救急現場も経験した。訓練とは違う緊迫感。幾度も訓練を重ねた手順だったが緊張で思うように動けなかった。先輩の姿を見て、「自分も冷静に対処できるように早くなりたい」と救急救命士への精進も重ねる。信頼され、女性消防官を目指す後輩や子どもたちに夢や希望を与えられる消防官を目標に、今日も訓練に励む。
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