かるまい文化交流センター開館記念
軽米町文化協会創立70周年記念
■故郷の先人の偉業「稗(ひえ)三合一揆」に想いを馳(は)せて心をひとつに創り上げる町民劇 いざ!
町文化協会(堀米成嘉会長)の創立70周年とかるまい文化交流センター宇漢米館の開館記念として令和6年12月8日に町民劇「一月のほたる」が上演されました。会場には、7日に行われた公開リハーサルを含め約380人の観客が来場。笑いあり涙ありの舞台に惹きつけられ、役者の迫真の演技に惜しみない拍手が送られました。また、観客にもスティックライトが配られ、終盤には一緒にライトを振って劇に参加。会場が一体となり町民劇を作り上げました。
■20年の時を経て…
「一月のほたる」は、平成17年1月30日に町文化協会50周年記念事業として旧軽米中央公民館で上演されています。江戸時代後期に軽米地方で起きた「稗三合一揆」がモデルの演目で、宇漢米館多目的ホールの新しいステージに合わせてアレンジし再演されました。文化協会所属の各団体が持つ技術や経験を活かし、一致団結して作り上げました。
■70周年記念事業
町文化協会は、昭和29年に発足し今年度で70周年を迎えました。現在は19団体、200名で活動しています。70周年記念事業とかるまい文化交流センターの開館を記念して、「宇漢米館の新しい大きなステージで再演したい」との想いから再演が決定。昨年7月の結団式には40人ほどしかいなかった参加者が、一人、また一人と町内外から集まり、総勢約120人になりました。
■稽古が始まった8月
8月に入り、勤労福祉センターでの本格的な練習がスタートしました。火曜日と日曜日に役者の稽古、水曜日から金曜日にかけては小道具や大道具などの制作を行いました。役者の中には初めて演劇に挑戦する人も多く、学校や仕事が終わってからの練習は、台本を片手に台詞を覚えることから始まりました。稽古を重ねるごとに、台本にはたくさんの書き込みが増えていきました。
■本番に向けて
本番を目前にした12月。多目的ホールに大道具や小道具を運んで、エキストラも参加しての全体練習が始まりました。時間のない中、照明や音響と合わせての舞台稽古。場面同士をつなぐ部分や道具の配置、照明や音楽の入るタイミングなどを念入りに確認。笑顔がみえつつも、衣装を身に付けた役者の表情からは真剣さと、本番に向けた気持ちの高ぶりが感じられました。
▽あらすじ
舞台は今から190年前、江戸時代後期に県北地方で起きた「稗三合一揆」が題材となっている。第1幕では、軽米村での田植え作業や虫追い祭りなど、村民の生活が描かれている。豊作を願うも、天候不良で農作物が不作。そんな中でも八戸藩の野村軍記は厳しい取り立てを行っていた。
第2幕では、八戸藩に直接訴えようと、主人公の彦太郎を中心に一揆を決意する。近隣からも大勢人が集まり、八戸藩に立ち向かう。
■感動が再びよみがえる
12月7日の公開リハーサルには100人を超える人が来場しました。リハーサルをやり切った役者やスタッフからは本番への手ごたえが感じられました。細かい部分を再確認し本番を迎えます。
8日、公演当日のチケットは完売。会場は、町民劇を心待ちにしていた観覧者でいっぱいになりました。緊張を胸に開幕。個性豊かな演技に笑みがこぼれ、迫真の演技に引き込まれていきました。彦太郎を中心に一致団結し八戸藩に向かう場面では、舞台上の役者も観客も一体となって明りを灯し「一月のほたる」を作り上げました。公演を終え、会場は感動に包まれました。役者やスタッフだけでなく、たくさんの人の支えがあり1つの町民劇を完成させることができました。
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