◆公演を終えての感想を聞きました!
▽宇漢米館でもう一度
脚本・演出 大清水文子(ふみこ)さん
大きい宇漢米館のステージで「一月のほたる」を再演したい、劇の楽しさに触れてもらいたい、文化協会員みんなで1つのことに取り組み100人の慰労会をしたいなどたくさんの思いがありました。稗三合一揆を調べるほどすごいことだと思い知らされ、できる限り台本に詰め込みたいと思いました。今回は舞台効果にも力を入れました。“間”をあけない、たたみ込むような場面の転換、順を追ってシンプルなストーリーに太神楽や緑舞会、大正琴との融合。役者の個性をそのまま使うようにしました。そして、最大の山場の一揆のシーン。役者、スタッフ、エキストラ、観客も全員で1つでも多くの光を会場に灯すことこそこの町民劇の醍醐味だと思います。人集めも苦労しましたが、様々な皆さんの協力がなければ披露することができませんでした。本当にありがとうございました。
▽一生の思い出
彦太郎(軽米右近) 役 福田丈幸(たけゆき)さん
初めての演劇で右も左も分からないまま練習に参加しましたが、20年前にも出演したメンバーや近隣市町村から参加した演劇経験者の皆さんから多くのことを学びました。練習を重ねるごとに自信になっていき、最後の1か月は楽しさも感じながら練習することができました。本番は緊張もほどんどなく、自分の納得のいくパフォーマンスができたと思います。中でも、一揆と軽米村を去るシーンは印象的で、感情移入しすぎて何年かぶりに泣きました(笑)それだけ本気で取り組めたのかなと思います。本番終了後、見に来ていただいた方々から「良かった」「すごかった」と声をかけていただきました。素直にうれしいの一言です。満員の宇漢米館のステージで披露できたこと、一生の思い出になりました。ありがとうございました。
▽今も変わらず大切なこと
野村軍記 役 堀米孝太郎(こうたろう)さん
伝楽坐では10年で20回以上出演していますが、町民劇は初めての出演でした。20年前の町民劇のビデオを見て、脚本・演出を担当した大清水さんの「もう一度、一月のほたるをやりたい」との思いに共感。史実を調べて作り上げた脚本も素晴らしく野村軍記役に手を上げました。練習では大清水さんのすごい熱意とパワーに毎回感心しました。絆や協調性、人のために行動することは今の時代でも変わらずに大切だということが観客の皆さんに伝わればいいなと思います。
▽皆さんの心の中に…
おえい 役 関口華月(かづき)さん(九戸村)
主演の彦太郎役の福田さんを始め、軽米町の皆さんに暖かく迎えられ、たくさん笑って過ごすことができた幸せで楽しい日々でした。皆さんの熱意に負けないよう、少しでも力になれるように頑張りました。私の役は彦太郎さんとの会話がほとんどだったのですが、少ないシーンの中でどう関係性を見せるのか悩みました。好きな人に向ける表情や仕草は、おえいちゃんの素朴さや純粋さを表現するために自然にしたいなと思い何回も考えました。最後の泣きながら想いを伝えるシーンは、演出から指導してもらいながら何とか出し切りました。
ご来場いただきましたたくさんの皆さん、本当にありがとうございました。「一月のほたる」が皆さんの心の中にいつまでもあり続けますように。
▽全力で取り組んだ町民劇
あき 役 本田琉理(るり)さん
演劇をみるのが好きで、楽しそうだと思い参加しました。やるからには全力で取り組もうと練習に励みました。演技で力を入れたのは、悲しさや不安な気持ちが伝わるような自然な演技を心がけました。一つの作品をみんなで作り上げる面白さを味わうことができました。
▽20年前の自分に勝つ
小兵衛 役 宮本健一(けんいち)さん
前回の町民劇にも出演しました。正直、練習は仕事柄きつかった…。終わってみれば「やっぱりやって良かった。20年前の自分に勝った!」と思っています。1番感情を入れた野村軍記の手下の役人に引っ立てられるシーン。後でみたらすり傷が6つできていました。役人の皆さ~ん!大丈夫ですか~
▽新たな気持ちで
竹 役 大清水健治(けんじ)さん
20年ぶり、2回目の町民劇でした。かるまい文化交流センター開館記念の掉尾を飾るということで、20年前を懐かしく思い出しながらも新しい気持ちで臨みました。設備が整った多目的ホールでより迫力のある演出がなされたと思います。また、文化協会員をはじめ、一般の方々も熱心に参加してくださり、まだまだ軽米もいろいろなことができるんだなと心強く思いました。
◆町文化協会 70周年を迎えて
町文化協会 堀米成嘉(しげよし) 会長
町民劇の取り組みは、各団体の意識のまとまりと連携を深め、町の歴史や文化を考える機会となり、ふるさと軽米への誇りや芸術文化活動の力の素晴らしさを改めて実感することにつながったのではないでしょうか。
この1年は、かるまい文化交流センター宇漢米館の開館記念事業として、多彩な活動が盛大に行われて軽米町民の芸術文化活動の推進に大きな成果を上げることができました。これからも、今日まで先人が培ってこられた芸術文化活動を継承し、新しい文化創造に向けて飛躍・発展していけるように精進いたします。
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