■「一月のほたる」舞台監督
山野下誠
YAMANOSHITA MAKOTO
かるまい文化交流センター開館記念イベントを締めくくった軽米町民劇「一月のほたる」。多目的ホールの新しい舞台で、20年前の感動がよみがえった。山野下誠まことさん(高清水)は、舞台監督として町民劇を成功へと導いた。
二戸市民文士劇に出演していた友人に誘われて、大道具を手伝うことになった山野下さん。毎年手伝ううちに現場の雰囲気にも慣れ、舞台監督として活躍の場を広げた。舞台監督は、スケジュール管理や、役者、音響・照明、大道具・小道具それぞれが作ってきたものを組み合わせて1つの作品に導いていく役目を担う。
町民劇では、自身初めてとなる照明プランを一から作り上げた。講習会で照明機材の使い方や設置方法など基本から学び、各シーンでの舞台照明やムービングライト、ピンスポットライトを用いて観客に情景や感情が伝わる演出を考えた。最も苦労した部分は、一揆のシーンでたいまつを持つ人の流れに見立てたイルミネーションをどう出すか。位置の調整や設置の仕方、形を崩さず絡まないようにどう引き上げるか試行錯誤の日々が続いた。「大変なことも多いが、楽しみの方が大きかった」と笑顔で振り返った。
12月8日。舞台には満員の観客からたくさんの拍手が送られた。「数か月間の稽古で達成感と高揚感を共有できたことがうれしい。多くの人の協力があって成功につながった」と出演者やスタッフも含め、関わった全ての人で1つの作品を作り上げられたことを喜んだ。「今回のような演劇が軽米でも根付いてもらいたい」と夢を膨らませた。
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