山崎由紀子
YAMAZAKI YUKIKO
山崎剛
YAMAZAKI TSUYOSHI
黒毛和牛の繁殖農家を営む山崎剛(つよし)さんと由紀子(ゆきこ)さん(鶴飼)夫妻。肉用牛の親牛を飼育し、産まれた子牛を約9か月かけて育て肥育農家のもとへ送り出す。剛さんが牛の世話全般を担い、由紀子さんは事務作業で剛さんのサポートを行う。今年度の二戸地方農林水産振興大会で、新たに就農し意欲を持って経営に取り組む生産者に贈られる「明日を拓く担い手賞」を受賞した。
剛さんが実家の畜産業を継ごうと決意したのは7年前、32歳の時だった。それまで会社員として働いていたが、父親の強い願いから一念発起して畜産の世界へ飛び込んだ。父のほか町内の同年代の仲間からも飼育のノウハウを学び、就農当時は12頭だったが、現在は20頭まで増頭した。また、牧草専用の農業用機械も導入し飼料の自給にも取り組み、未利用地の活用は農地の保全にも寄与する。
「生き物の飼育は苦労が多いが、中でも出産が1番大変」と夫婦そろって口にする。分娩が始まると昼夜問わず何度も牛舎に様子を見に行き、無事に産まれるまで気が抜けないという。「難産になると、出てきた足を引っ張って手助けすることもある」というほど何が起こるかわからない。無事産まれてからは病気など気をつけながら1頭1頭に愛情を注ぎ、大切に育てている。
ここ数年は燃料・飼料の高騰で畜産経営も厳しさを増すが、将来を見据え「新しく牛舎を建てて、もっと増頭したい」と意欲を見せる剛さん。これまでの経験に創意工夫を重ねながら、若手畜産農家として町畜産振興の一翼を担う。
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