■所信
昨年5月には、3年以上の長きにわたり猛威を振るった新型コロナウイルス感染症が5類感染症に位置付けられ、これまで感染リスクを考慮して開催できなかった各種行事などが再開したことで、観光地をはじめ市内各所に賑わいが戻ってきました。昨年の観光入込客数はコロナ禍前とほぼ同様の約1,200万人まで回復し、宿泊者数は80万人を超え、過去最高となりました。
さて、来たる新年度は、新出雲市が誕生してから20周年の記念すべき年であります。式典をはじめ、さまざまな記念事業等を実施し、市民の皆さまと思いを共有して、次へのステップにつなげていきたいと考えています。
4月には、かねてから建設を進めてきた出雲市総合体育館「出雲だんだんとまとアリーナ」がオープンし、スポーツと健康づくりの拠点として多くの方にご利用いただきたいと思います。
また、山陰道については、「出雲・湖陵道路」「湖陵・多伎道路」が新年度に開通する見込みとなりました。これにより県東部が全線開通し、観光や物流など地域経済の活性化、緊急時の路線確保など、大きな効果が期待されるところであります。
先般、国立社会保障・人口問題研究所が、最新の将来人口推計を公表しました。2030年時点の本市の人口は、約16万6千人余りとなる推計が示されましたが、出雲市総合振興計画「出雲新話2030」に示す目標人口17万人台キープをめざし、「出雲力」をフルに活用したまちづくりを進めてまいります。
そのため、雇用の場や働く人材の確保、移住・定住対策、結婚から子育てまでの切れ目のない支援に加え、官民が連携した地域課題の解決、中山間地域振興や脱炭素社会の実現、デジタル化の推進など、各種施策をしっかりと「前へ」進め、「出雲力で夢☆未来へつなげ 誰もが笑顔になれるまち」の将来像の実現に向けて、まい進してまいります。
■市政運営のポイント
◇1.活気あふれる地域経済への基盤強化と官民連携の更なる推進
・10年後の農地利用の姿を明確化する「地域計画・目標地図」の策定
・伐採による青空と再造林による緑のサイクルをイメージした「いずもの森ブルースカイ・グリーン計画」をまとめ、「攻めの林業」へ転換
・出雲斐川インター企業団地の令和7年度の完成をめざし、企業誘致活動を強力に推進
・市西部地域における新たな工業団地を検討
・「中海・宍道湖8の字ルート整備推進会議」を中心に、境港出雲道路の早期事業化を国・県に強く要望
・官民連携のもと、出雲市版デジタル地域通貨の導入を検討
・官民が連携して、持続可能な地域公共交通を構築していくための中間支援組織「(仮称)MMOいずも」の設置を検討
◇2.移住・定住の推進、交流人口・関係人口の拡大と中山間地域振興
・若者を対象とした交流会を東京圏で開催するなど、移住・定住を推進
・地域と一体となったエリアごとの取組の方向性を含む新たな観光基本計画を策定
・広島・出雲間の高速バスの外国人観光客割引を実施するなど、山陽・近畿からの来訪促進を強化
・自転車活用推進計画を策定し、シェアサイクルの導入実験やサイクリングロードの検討・整備に着手
・企業や団体と連携し、中山間地域の人材が不足している分野に後継者候補としての地域おこし協力隊員を配置
◇3.ハード・ソフト両面による安全・安心なまちづくり
・能登半島地震を教訓として、現在の防災体制を再確認し、対応力を強化
・地区災害対策本部の防災訓練や独自の情報発信などへの支援強化やコミュニティセンター等への分散備蓄
・国・県と連携した流域治水対策の取組、市街地の浸水対策として今市および塩冶地区の対策工事を実施
・国の新たな交付金を活用し、生活環境道路改良事業を拡充
◇4.子育てにやさしい選ばれるまちづくり
・子どもの意見を反映した「出雲市こども計画」を策定し、各ライフステージにおける切れ目のない総合的な支援の取組
・子ども医療費助成の高校生年代まで対象年齢の引上げを検討
・雇用の場の確保や働きやすい職場環境、ワーク・ライフ・バランスの推進、子どもたちの教育環境の充実など、安心して子どもを産み、育てることができる環境づくり
◇5.デジタルファーストを実感できるまちづくり
・マイナンバーカードを活用した行政手続の窓口改革プロジェクトを推進
・オンライン申請が可能な「窓口に行かなくてよい」改革の開始と「待たなくてよい」「申請書を書かなくてよい」改革の準備
・民間企業とIT企業が交流できる機会を設け、民間事業者のDXを促進
◇6.未来に向けた環境にやさしく持続可能なまちづくり
・2050年CO2排出実質ゼロの「脱炭素のまち出雲」の実現に向けて取組を更に強化
・民間事業所の太陽光発電、蓄電池など設備導入や個人住宅のゼロ・エネルギー・ハウス化への支援
・ペロブスカイト太陽電池などの先進技術の公共施設導入の可能性を検討
・「出雲市トキによるまちづくり構想・アクションプラン2025」を策定し、トキの放鳥・野生復帰に向けた施策を推進
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