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〈第2回〉そうだったのか!がん専門医による抗がん剤のお話

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島根県奥出雲町

[抗がん剤のお話]
前回、抗がん剤のお話をしました。
・吐き気やおう吐がひどい
・髪の毛が抜ける
・けん怠感がひどい
・口内炎で食事が食べられない
・どんどん衰弱していく
これらの抗がん剤のイメージは正しくもあり、間違っているとも言えます。
確かに、30年前の医療では上に書いたような副作用は当たり前のように起こっていました。むしろ医者が当たり前に起こると思っていたがゆえに、患者さんに対して我慢を強いていたのだと思います。『副作用は起こるものだ。そこを乗り越えて治療を続けなければならない。だからしんどくても頑張れ頑張れ!』今考えるとひどい時代です。そしてがんがちょっと小さくなる人もいたけれど、すぐに効かなくなるなど、抗がん剤の治療効果も血液がんをのぞけば限定的で、使う医者も手探りで抗がん剤治療をやっていました。皆さんのご両親は、もしかしたらこういう治療を受けていた世代なのかもしれません。こういう時代があったからこそ、『抗がん剤』に良いイメージを持てないのです。では今はどうか?この30年で随分と様変わりしています。
まず、使う抗がん剤の種類がとても増えました。30年前に使用していた抗がん剤は、現在では『従来用いられていた抗がん剤』や『殺細胞性抗がん剤』などと呼ばれ、広く使われている抗がん剤の一部分となってしまいました。現在では従来の抗がん剤に加えて、ものすごく大雑把にいって『分子標的薬』と『免疫チェックポイント阻害薬』が、抗がん剤治療の大きな部分を占めるようになってきています。『殺細胞性抗がん剤』、『分子標的薬』、『免疫チェックポイント阻害薬』それぞれがどんなものか、次回以降に説明したいと思いますが、この『分子標的薬』や『免疫チェックポイント阻害薬』は上に書いたような抗がん剤の副作用はほとんど見られないのです。したがって、がんの治療に用いられる薬剤が多彩になっており、従来のような副作用がみられないことも多くなってきました。
次回、従来の抗がん剤を中心にお話します。

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