去る6月22日に88歳でご逝去された、日刀保たたらの操業責任者村下(むらげ)として長年たたら文化の継承に貢献された名誉町民、木原明さんのお別れの会が、9月7日に横田コミュニティセンターにおいてしめやかに執り行われました。
お別れの会は奥出雲町と株式会社プロテリアル安来工場、株式会社プロテリアル安来製作所の共催で、町や近隣自治体、たたら関係者、刀匠など全国から約120名が参列し、功績を称え別れを惜しみました。
木原さんは昭和29年に日立製作所安来工場に入社し、昭和52年には日刀保たたらの復活に携わりました。また昭和63年から村下として日刀保たたらの操業を取り仕切り、40年近くにわたり全国の刀匠に玉鋼を供給してきたほか、たたら文化の普及や後進の育成に尽力されました。
来賓からは木原さんの貢献に対する感謝の言葉が続きました。木原さんに30年以上師事し村下を継いだ堀尾薫さん(八川)が「これまでご指導いただいた教訓を忠実に守り操業に臨んで参ります。今後は天国よりお守りください。」と弔辞を読み上げました。
終わりに、遺族を代表して木原茂さん(長男)から「この4月に退職し生涯現役を貫けたということは、父の人生は本当に幸せな人生だったと思っています。父の遺志を継いでいただき、堀尾村下をはじめとして奥出雲町にこの先100年、200年とたたらの炎が燃え続けることをお祈りします。」と挨拶がありました。
式典の後には献花が行われ、参列者が花を手向けながら木原さんの遺徳を偲び、最後の別れを惜しみました。
10月8日には木原さんのご遺志により、ご家族から木原さん製造の玉鋼(たまはがね)のオブジェと差(さ)し鞴(ふいご)の目録が贈呈されました。たたら文化の普及啓発と、伝統技術の保存伝承のため役立ててまいります。誠にありがとうございました。
改めて木原さんのこれまでのご功績に対して敬意を表しますとともに、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
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