奥出雲町内の小学6年生を中心とした児童を対象とする「たたら体験学習」が11月28日から29日にかけて、旧鳥上小学校敷地内の古代たたら体験学習工房で実施されました。
この学習は奥出雲町に伝わる伝統的製鉄技術「たたら製鉄」を、日刀保たたらの皆さんの協力をいただきながら実体験することで、郷土への理解を深めるとともに体験を通じた表現活動を行う機会とすることを目的としています。町内小学生の合同学習で行うようになってから今年度で21回目を迎えました。28日は炉づくりや鉄穴流(かんななが)しを体験し、29日は児童が協力して鞴(ふいご)で炉に風を送りながら砂鉄と木炭を交互に入れ、夕方には鉄の塊「鉧(けら)」を取り出しました。今回の体験では砂鉄98kg、木炭147kgを使用し、できた鉧(けら)は35kgでした。
参加した亀嵩小学校6年生の伊藤凪咲さんは「鞴(ふいご)は大変だったけれど、班の人と協力してその場の状況に合わせて行動ができました。炎と向き合い、真剣に働かれている日刀保のみなさんの姿は、『誠実は美鋼を生む』という言葉そのものでした。この学習を通して私も真心を込めて取り組めるものを見つけていきたいです。」と感想を述べました。児童は今後、鉄づくりにかかわる歴史や活動などを表現する事後学習に取り組みます。
11月25日には故木原明村下(きはらあきらむらげ)のご遺志により、ご家族から玉鋼のオブジェと差し鞴が寄贈されました。たたら文化の普及及び伝承のため役立ててまいります。誠にありがとうございました。
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