6月22日、奥出雲町名誉町民で国選定保存技術保持者の木原明さんが、88歳でご逝去されました。
ここに生前の功績を称え、謹んでお悔やみ申し上げます。
◆木原 明さん 略歴
昭和10年
山口県宇部市に生まれる
昭和29年
山口県立宇部工業高等学校 卒業
(株)日立製作所安来工場(現プロテリアル安来工場) 入社
昭和52年
日刀保たたら復活にご尽力
昭和61年
文部大臣より国選定保存技術保持者玉鋼製造(たたら吹き)に認定
昭和63年
日本美術刀剣保存協会より日刀保たたら村下(むらげ)に就任
平成16年
厚生労働大臣より卓越技能者(現代の名工)表彰を受賞
平成18年
叙勲「旭日双光章」を受章
平成22年
奥出雲町名誉町民
令和5年
読売あをによし賞
「保存・修復」部門を受賞
■町長メッセージ
木原明村下の突然の訃報に接し、心より哀悼の意を表します。木原村下はたたら製鉄の復活に尽力され、伝統技術の保存伝承と、全国の刀匠に日本刀の原材料として不可欠な玉鋼を安定供給すると共に、たたらの科学的な調査研究を進め、玉鋼の品質向上に貢献されました。
また、日刀保たたらの村下(技師長)として率先垂範してその任にあたると共に、国内外にたたら文化を伝える活動や、後継者の養成指導に取り組まれました。
そのほか、子どもたちに貴重なたたら体験学習の機会を与えるなど、当町ならではの特色ある教育にも多大なるご尽力をいただきました。
こうした功績を称え、当町では平成22年に奥出雲町名誉町民の称号をお贈りし顕彰させていただきました。
今後のさらなるご活躍を願っておりましただけに、誠に残念でなりません。「誠実は美鋼を生む」というたたら吹きの精神は、後継者をはじめ、奥出雲町の次世代を担う若者に引き継がれていくものと確信しております。
ご逝去にあたり、町民の皆様とともに、改めて木原村下のご功績に対し敬意を表しますとともに、心からご冥福をお祈り申し上げます。
奥出雲町長 糸原 保
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