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自治体の皆さまへ

特集 健康寿命延ばしましょう(3)

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島根県安来市

◆社会参加から延ばす
内閣府の実施した「令和4年度高齢者の健康に関する調査」によると、1年内に社会活動に参加した人は参加していない人に比べ、健康状態が「良い」と回答した割合が高く、また、社会活動に参加して良かったと思うことについて見ると、「生活に充実感ができた」「新しい友人を得ることができた」「健康や体力に自信がついた」という回答が多くありました。

▽エイジレス・ライフとは
社会参加は健康につながる、といっても具体的にやりたいことが見つからない人も多いのではないでしょうか。趣味や興味があることがあれば、そこから活動団体を探したりできますが、漠然と何かしようと思うと迷ってしまいますよね。
そんなときに参考の1つになるのが「エイジレス・ライフ実践事例」と「社会参加活動事例」です。
エイジレス・ライフとは、年齢にとらわれず、自分でできることをできる範囲で行い、自由でいきいきとした生活を送ることです。内閣府では、そうした活発に活動している人・団体を表彰し紹介することで、生き方の参考にしてもらおうとしています。
令和5年度のエイジレス・ライフ実践事例では、安来市から2人の受賞者がありました。それぞれお話を伺いました。ぜひ参考にしてみてください。

▽レクリエーションで介護予防
山根良雄さんは、平成17年に「安来レクリエーション協会」を中心となって立ち上げ、現在は協会の会長として活動を先導しています。
レクリエーションの指導者になろうと感じたきっかけは定年という節目。セカンドライフは社会貢献活動に取り組みたいと考えた山根さんは、楽しく元気にできるレクリエーションが介護予防により効果的であると感じ、日本レクリエーション協会公認指導資格を取得しました。

▽レクリエーション協会の活動
レクリエーション協会では、いきいき健康教室やスポレク広場、あそびの日キャンペーンなど、幅広い年代が楽しめるイベントを企画開催しているほか、子ども向けに元気アップ事業(島根県委託事業)、高齢者向けに楽しい運動教室など、年代に応じた運動ができる事業も行っています。
特にいきいき健康教室は、毎週安来・広瀬・伯太の3地区で開催されており、定期的な介護予防運動の場として盛況です。安来地区で60人、広瀬・伯太地区でそれぞれ30人の約120人が、運動や歌唱、ゲーム、交流を楽しんでいます。課題は、男性の参加がほとんどないこと。山根さんは「興味がある人は大勢いると思うので、誘い合わせて参加してみてほしいです」と話しました。
「協会の立ち上げには不安もありましたが、想定を超えて仲間が集まり、現在も精力的に活動できています。今回の表彰も協会の全員が頑張ってきた結果だと思います」と話す山根さん。受賞を励みに、今後もさらに活動に力を入れ、地域の活性化、元気なまちづくりに取り組みたいと熱意を込めました。
安来レクリエーション協会では、一緒に活動する仲間を募集しています。活動に興味を持たれた人は事務局(【電話】090-3638-6153)に問い合わせください。

▽築きあげた伯太の伝統芸能
前田進さんは、伯太独自の芸能の創設とまちの活性化を目的に、母里地区の有志とともに平成4年に「伯太太鼓」を新設しました。
一から文化を創り上げるというのはさまざまな困難がありましたが、全国各地の太鼓を参考に独自のアレンジをしつつ、宝くじ助成金の活用、住民からの寄付や交流センターの補助金と、地域の力を結集させ、今日の伯太太鼓の基礎ができあがりました。
現在では、母里にルーツを持つ戦国武将の母里(黒田)太兵衛をモチーフとした曲や、伯太の景観を唄った曲など独自の曲もあり、伯太の伝統芸能として力強く根付いています。

▽若者への継承を
昨年30周年を迎えた伯太太鼓。新たな世代への引き継ぎが課題だと前田さんは話します。
毎週土曜日に練習があるほか、母里小学校と安田小学校の5年生が、2学期に学習の一環として演奏を習っています。しかし、披露する場が減ってしまったことや、家庭の事情・進学を節目に離れていってしまう人もあり、継続してもらうことが課題です。
前田さんは「太鼓をたたくといい運動にもなって気持ちがスッキリしますし、音階はなくとも合わさって響く音には不思議な魅力があります。それぞれが楽しむ場として、地域のつながりがつくられる場として、体力が続く限りこの文化の継承に向け、音色を絶やさぬよう活動していきたいと思っています」と、表彰を受け改めて決意を固めたと話しました。
皆さんも地域の伝統芸能にふれてみませんか。伯太太鼓を習ってみたいという人は、前田さん(【電話】090-4659-6326)にご連絡ください。

ここまでで「食事」「運動」「社会参加」をそれぞれ取りあげてきましたが、エクササイズや体操の休憩時間に運動で作った筋力がつきやすい・低下しづらい栄養の取り方を学ぶ時間があったり、料理教室やウォーキング大会が交流の場になったりと、要素が重なる部分は多くあります。
まずは何か一つ、気になったことに手を付けてみて、そこからゆっくり他の要素にも目を向けて、健康寿命をどんどん延ばしていきましょう。

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