■母里地区のイチオシ!
江戸から続く母里の年末市~母里市やまんば祭~
「日本一小さい城下町」といわれる母里藩一万石の歴史ある町並みの面影を残す母里地区。この地域では毎年「母里市やまんば祭」が開催されています。
この行事の起源は1831年の江戸時代。当時、母里藩が町や町民を活気づけるため、正月用品の販売を中心とする年末市「母里市」を開始しましたが、当初は客足が少なく、賑わいに欠けた催しに。そこで、藩の役人が同藩武士の祖母にお金を渡し、それを来場客に配るよう命じました。この策が功を奏し、その女性は「山姥(やまんば)」として噂されるように。遠方からの客足も増加し、母里市は盛り上がりをみせていきました。
そんな母里市も時代と共に、かつての活気を失っていったことから、平成17年に実行委員会が設立されます。賑わい復興のため、山姥が復活し、名称も「母里市やまんば祭」と変わりました。今では、山姥は「お金」ではなく「飴」を来場客に配り歩くように。山姥や、正月用品、地元野菜、料理などを目当てに客が集い、再度賑わいを見せています。
母里交流センターの栂瀬(とがせ)館長は「この行事は天候や曜日に関わらず毎年12月25日に行っており、楽しみにしている人も大勢います。190年を超えて続くこの行事がなくなることは1つの灯が消えることになるので、今後も続けていきたいです」と今後の意気込みを語りました。
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