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まちのタカラ

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島根県安来市

◆下山佐地区のイチオシ!
日常に寄り添う巨木の記憶~三つ子杉の日用品~
下山佐地区は、山佐川の南側から、北側は松江市との市境までを含む、範囲が広い地域です。谷沿いに集落が点在する地域であり、寺社も人口に比べ多くあります。そのうちの一つ「廣国神社」は、奥谷川から松江市八雲町方面へと向かう山道沿いにあります。
今はポツンと建つこの神社ですが、昭和半ばまではシンボルとなる木がありました。幹周りおよそ7mにもなる巨木「三つ子杉」。1人の氏子が3歳になる子の成長を願って植えたことが由縁とされています。千年杉とも呼ばれていたこの大木は樹齢300年ほど、神社が建てられた宝永7(1710)年頃からあったと考えられています。
大切にされてきた三つ子杉ですが、昭和30年の夏に暴風で倒木。近隣に住む須藤操さんは「自分はまだ小学生でしたが、そのときのことは強く記憶に残っています。倒れた木は随神門や鳥居を巻き込み、道路にも届くほどでした」と当時をしのびました。
倒れた杉の大部分は木材として売られ、枝や端材は氏子や周辺住民にも配られました。受け取った人はそれぞれが普段使う茶器や箸等に加工し、日常の中で使用しています。三つ子杉がなくなり久しくなりますが、形を変えて今でも愛されているのです。

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