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特集 新春座談会 地域とのつながり 子ども食堂(1)

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島根県安来市

「子ども食堂」とは、子どもが一人でも行ける無料または定額の食堂です。利用する背景には、経済的な理由で十分食事をとれない、親の帰りが遅く一人でご飯を食べなくてはならないなど食事や生活にそれぞれの事情があります。子どもたちのために、地域・団体が温かみのある場所や、ふれあい、会話できる場所を提供しようという思いから子ども食堂は広がりをみせています。
新春座談会では、毎日開催している子ども食堂の代表者、サポート企業、支援機関を招き、開催・運営に関する課題や工夫していること、今後取り組みたいことなど「これからの子ども食堂」について語り合ってもらいました。

・安来市長 田中 武夫
令和2年10月から市長となり、令和6年10月に2期目がスタート。就任時から「オールやすぎ」による「次の世代につなげる安来市づくり」を掲げ、地元産の金芽米を活用した子どもたちの健やかな成長と子育て世帯への負担軽減や医療費の無償化など子育て支援策に取り組んでいる。

・かばはうすホールディングス株式会社 代表取締役 松田 幸紀
「地元山陰の素晴らしさを全国へ届け、山陰を全国区へ」を合言葉に山陰・山陽エリア、関西エリア、海外へ飲食店等を展開。元気に楽しく、幸せにする店作りを企業理念に、子ども食堂の運営を考え、同級生の板垣代表と共同で「ごはんだよ」を開設。

・子ども食堂ごはんだよ 代表責任者 板垣 学
保護司・少年補導員・防災士など、さまざまな分野で地域を支援する活動をしている。多くの支援団体で活動する中、子ども食堂の必要性を痛感。同級生の松田代表取締役と共同で「ごはんだよ」を開設。

・(しまね子ども食堂ネットワーク事務局)島根県社会福祉協議会 地域福祉部 地域福祉係 
子ども食堂推進コーディネーター 梶谷 友貴
主任 景山 俊太郎
子ども食堂運営者情報交換会の開催や子ども食堂に関する情報収集・発信、子ども食堂応援アドバイザーの派遣などを行う。

■偶然のマッチング
田中市長(以下、市長):子ども食堂「ごはんだよ」で、私も食事をいただきました。話には聞いていても驚きましたね。普通に飲食店で出される食事がでてきました。毎日開催しているのもインパクトがあります。
松田幸紀(以下、松田):コロナ禍の前から子ども食堂を当社でやりたいという思いがもともとあったんです。米子で月一開催している子ども食堂に料理を提供させてもらっていて、子どもは楽しそうにしてるけど、元気のない親御さんが実際にいらっしゃるんですよね。
僕は飲食店を経営してるので、毎日料理を提供しています。宴会があって、宴会場を片付けするときにやたら料理が残ったりすることがあります。持ち帰りを推奨していますが、持って帰らない人も多くて、もったいないけど全部ごみになるんです。一方では足りなくて、もう一方では廃棄するという矛盾をずっと感じていました。子ども食堂を運営している飲食店に相談しながら、当社内では、コロナが終わったら子ども食堂を始めようと話をしていました。
ただ、料理はできるけど店を営業しながら、利用者のケアができるかというと、すごくハードルが高くて。という時に、同級生の板垣さんと違う話を話している中で、実はこうこうこうなんだよねって言ったら、板垣さんも実はそうなんですよと意気投合したというのがスタートでした。
板垣学(以下、板垣):私が子ども食堂をしないといけないと思ったのが、15年位前で、勤務先の社宅で夜遅くになっても、女の子がひとりで外にいたときの経験です。親御さんがまだ帰っていなくて、当然夜ごはんもまだだと言うんです。その時に私の家でごはんを食べさせたことが最初のきっかけですね。
その後、私が小学校のPTA会長をしているときに子どもに関する悲しい事件がありました。そのときに、お母さんの苦しい状況を聞ける場所や子供が行ける場所があったらこんなことにならなかったのでは、そんな場所がどうにかできないかと思ったんです。
ただ、子ども食堂をやりたくても場所がない、資金がない、調理する人もいない、という状況でした。そのような中で、偶然再会した松田さんと話をしたとき丁度足りないところを補い合えることがわかって、じゃあ一緒にやろうとなりました。

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