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新春対談 Honda×松江市(2)

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島根県松江市 クリエイティブ・コモンズ

■脱炭素社会に向かってエンジン始動
福田:松江市での実証実験に至るHondaとしての最初のアクションは、2012年11月に船外機生産累計200万台を対外発表した際に電動推進機のコンセプトモデルを初めて発表したことにさかのぼります。電動推進機の発表はHondaが提唱するカーボンニュートラルを四輪や二輪という陸上のモビリティだけでなく、水上でも実現するという意志を表現したものです。このコンセプトモデルの発表を確認いただいた松江市さんから、発表の翌月の2021年12月に堀川遊覧船での実証実験を提案いただいたことが、このプロジェクトのスタートポイントとなります。

上定:Hondaさんに松江でお会いしたのが、まさに2021年12月。そこからたった2年弱で実現に至っているのは、すごいスピード感ですよね。こうして真摯に期待に応えていただいたことに感激しています。ぜひご一緒したい!と熱い「ラブコール」を送ってよかったです。何にでもチャレンジしてみることが大切だと身に染みて感じます。

福田:提案をいただいてから、すぐに開発者とともに松江市を訪問させていただき、堀川遊覧船の状況やエンジン船外機の使われ方など電動推進機とのマッチングを様々な方向から検証し、実証実験の可能性を確認させていただきました。私自身、すでに松江市さんには2年間で15回程度訪ねさせていただき、昨年はほぼ毎月お邪魔しています。

上定:ありがとうございます。私も電動の堀川遊覧船に何度も乗せていただきました。エンジン音がないので、船頭さんの声はもちろん、堀川に暮らす水鳥のさえずりや虫の音が聞こえて、本当に素敵です。400年前の江戸時代に、このお堀で船を手漕ぎしていたときと同じ感覚を味わっているんだと思うんですよね。

福田:そうですね。

上定:手漕ぎしていた頃は、当然、二酸化炭素を排出していないので、そこまで戻れているというのは感慨深いものがありますね。

福田:そうですね。確かに技術の力は自由な移動を実現しましたが、その実現によって地球環境の悪化に影響を与えたのも事実です。この自由な移動の喜びと地球環境の両立が少しずつ可能になってきているという感覚はあります。まだ一歩を踏み出した段階ですが。

上定:堀川遊覧は、25年以上にわたって、松江の城下町としての魅力や自然の豊かさが感じられると、市民や旅行者のみなさんに楽しんでいただいています。今後はさらに、二酸化炭素を排出しない「サステナブル・ツーリズム」の象徴となって、全国・世界での環境保全の取組みを牽引する存在になれればと考えています。特に欧米からのお客様は、飛行機で多くの二酸化炭素を排出しながら旅行しているという意識が強く、観光にあたっては二酸化炭素の削減に協力したいという思いをお持ちなので、堀川遊覧の電動化は大きなアピールポイントになると確信しています。

福田:そうですね。Hondaの電動推進機が、松江市の観光発展の一助となるようであれば、大変ありがたいですね。

上定:10月22日と29日に、市民のみなさんに参加いただいて、「市民モニター乗船体験会」を開催しました。84名の方が試乗されて、「静かで水音に癒された」「環境にやさしく、遊覧船の魅力アップにつながる」といったお褒めの言葉をいただきました。
Hondaさんとの取組みについて、松江市から様々な場面で発信していまして、市民の方をはじめ、県外の首長や企業経営者の方などからも、世界で初めての電動水上推進機に乗ってみたいとの声が寄せられていますので、また機会を設けていただけると嬉しいです。

福田:様々な機会に訴求いただき、本当に感謝しております。実証実験の方は、現在Hondaのスタッフが同席していない状況での運航を可能とすべく準備に入っています。

上定:ありがとうございます。市民のみなさんにも喜ばれると思います。ところで、福田さんにとって松江市のまちの印象はいかがですか。

福田:本当に綺麗なまちというのが、第一印象でした。私は生れも育ちも関東ですので、今回の実証実験で松江市を訪問するまではご縁がありませんでした。松江市に来てみて、そのシンボルとなっている松江城や、まちなみも綺麗に整備されて美しい。そして、食べ物も美味しいですね。特にそばが好きでして、市長から伺った「松江松平そば」など、毎回楽しみにしています。

上定:ありがとうございます。そばのお店が増える予定ですよ。

福田:本当ですか。

上定:松江の中心市街地にそば店舗の出店が予定されていますので、ぜひまたまいりましょう。昨年の秋には、TBSの福澤克雄監督が松江にお越しくださって市内をご案内しました。そのときはまだ電動ではありませんでしたが、堀川遊覧も楽しんでいただきました。それで、福澤監督に松江のことを気に入っていただいて、話題になったテレビドラマ「VIVANT」のロケをしていただくことになったんです。

福田:本当に素敵なまちですね。

上定:コロナ禍も明けて、海外からの観光客も見込めるようになってきました。このお堀沿いの塩見縄手に「小泉八雲記念館」がありますが、明治時代の文豪・小泉八雲の奥様、セツさんの視点から当時の世を描いた「ヘルンとセツ」という小説を、昨年8月に脚本家・作家の田渕久美子先生が出版されました。これまでにNHKの大河ドラマ「篤姫」「江」や連続テレビ小説「さくら」の脚本も手掛けられています。ぜひ「ヘルンとセツ」をドラマ化していただきたいと、NHK本社にもお願いに行っています。ドラマ化が実現したときには、「電動の堀川遊覧船で、400年前の江戸時代の情緒が楽しめますよ」と全国・世界に向けてアピールしたいと思っています。

福田:応援しています。松江市の雰囲気と「朝ドラ」ぴったり合いますね。

上定:毎年秋には、「松江水燈路」というイベントを開催して松江城周辺をライトアップするのですが、堀川遊覧船はそのときだけ夜間運航するんです。美しい幻想的な雰囲気を楽しむことができますよ。

福田:来年はぜひ電動船でやっていただけると嬉しいですね。

上定:いいですね。ぜひ、実現していただきたいです。

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