出雲そば発祥の地 松江の年越し
今年も年末が近づいてきました。年末といえば年越しそばですね。
年越しにそばを食べる理由は、「そば切りで一年の災厄を断ち切るという意味を込めて」「そばが細く長いことから、長寿を願って食べ始めた」「金銀細工の職人が金銀粉を集めるためにそば粉を練ったものを使ったことから、そばは金を集めるという縁起で始まった」など諸説あります。
出雲そばの本場の松江でも、職場で仕事納めに同僚と食べたり、家族で年越しに食べられ、来る年の弥栄を祈る人もたくさんいらっしゃいます。各製麺業者やおそば屋さんも大忙しの時期です。
近年の研究により、松江では江戸時代初期の1666年に、出雲大社遷宮協議の際そばを振舞った記録があり、古くよりそばを食べていたことが分かりました。栽培も一時はほぼ途絶えていましたが、20数年前からそば処松江の本場の味を求めて、松江市やそばの生産者、松江そば組合、JA、松江商工会議所など、関係機関が一体となって栽培に取り組んでいます。近年では、「松江松平そば」と銘打ち松江の新しいそばの食べ方を提案しています。夏に種をまき秋には収穫されるそばは、高気温や害虫、雨や台風などの影響を受けやすいため、生産者の皆様には、近年の気象変動に苦慮しながらもおいしいそばの収穫に努力いただいています。
収穫直後で香りのよい新そばも美味しいのですが、そばの実が熟成して甘みやうま味が増すこの年末から節分の頃にそばを食べる風習はとても理にかなっています。昔の人は本当によく考えていたものです。
市民の皆様も、ぜひ松江産そばで打った年越しそばをお召し上がりください。
この記事に関する問い合わせ:松江そば文化ブランド化推進協議会(松江商工会議所内)
【電話】32-0505
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