吹野俊郎(ふきのとしろう)
1947年生まれ。島根大付属小・中学校。松江北高校。東京外国語大学卒。
72年、NHK入局(報道局社会部などを経て山口放送局長)。09~17年、杏林学園参与。
東京松江会会員。
生活の場を県外に移していつの間にか半世紀以上たちましたが、通信技術のおかげで松江でともに過ごした小・中学校の同級生との間で20年前からメールのやり取りが続いています。この幼なじみのメーリングリストには首都圏、近畿圏、遠くはアメリカ在住の友人もいて、仲間は70余人にもなります。松江の友人から宍道湖の夕景・水郷祭など四季折々の画像や故郷の話題などが寄せられると望郷の念が募ります。
私たちが小学生の頃は宍道湖で遊泳することができ、湖底の砂をすくうと手にはシジミが2~3粒入っていました。水門のあるところでは短時間でエビがバケツ一杯に獲れました。当時の中心市街地は県庁周辺の官庁街と、2つしかなかった大橋と新大橋のそれぞれの橋のたもと近くの一部地域にほぼ限られ、殿町にあった一畑百貨店や京店通り、天神町に出向いたときは何かしら気分が高揚したものでした。
車社会に伴い街はドーナツ化して中心街はぼやけ、平成の大合併で市域はひろがったものの人口は伸び悩み、松江市も少子高齢化の課題に直面していると聞きます。昨秋帰省した折、実家近くに新しく出来たコンビニではベトナム人の女性がレジを担当していて、松江にも時代の波が押し寄せているのを実感しました。
松江で暮らしたことのある転勤族の友人たちは、国宝松江城に象徴される気品のある落ち着いたたたずまいと松江人の控えめながら他者への優しい思いやりを、皆一様にたたえます。今後のまちづくりにあたっては、これらの宝物を大切にして、企業・大学・医療福祉機関などの地域の知と、大学生・高専生などを含めた若者の行動力を結集し、県都としての賑わい創生を図ってほしいです。わが松江が名実ともに『住み続けたい街』・『また行ってみたくなる街』となるように願っており、応援しています。
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東京松江会ホームページは本紙7ページの二次元コード参照
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