松江市長 上定昭仁の「上を向いていこう」Vol.33

3／51

牡丹がつなぐ海外とのご縁

今年2月に台湾を訪問し、昨年に続き蒋萬安(しょうばんあん)台北市長と面談しました。台北市は人口260万人弱で松江市の13倍。台湾の政治・経済の中心地で、アジア有数の大都市に発展しています。その市長と心安く懇談できるのは、「牡丹のおかげ」なのです
06年から、旧正月時期に台北市で開催される「春節前建国花市」に松江大根島牡丹を毎年出展して両市間の友好を深め、14年には、交流を促進する覚書を締結しました。一昨年10月に、覚書の対象を中海・宍道湖・大山圏域の5市に拡げ、今回の花市では圏域の観光や物産についてPRさせていただきました。
牡丹から始まった台湾とのご縁は、今や台北市立大学との文化・教育面での連携や、台湾のIT企業とのビジネス交流に拡がっています。
さらに、アメリカとのご縁も牡丹が取り持っています。01年に同時多発テロが発生し約3千人の方がお亡くなりになる中、悲劇からの再起を願い旧八束町が牡丹の苗木をアメリカ・ニューヨークに贈りました。これが、ニューヨークの2つの公園に根付き、「ピオニー(牡丹)ガーデン」が造園され、毎年綺麗な花を咲かせています。その傍らには、松江市が寄贈した牡丹であることを示す標識も飾られています。
こうしたご縁を、昨年7月にニューヨークで開催したインバウンド観光セミナーで説明し、松江市を身近に感じていただくことができました。また、サンフランシスコ・ベイエリアでは、松江市の企業とシリコンバレーのスタートアップ企業やベンチャーキャピタルとの連携について、検討を始めているところです。
先人が育て残してくれた貴重な地域資源を、大切に守り磨きをかけて世界に発信することで、次の世代に受け継いでまいりましょう。