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シリーズ「松江の匠(たくみ)」

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島根県松江市 クリエイティブ・コモンズ

市は長年にわたり地域産業の発展に貢献された技能者を表彰しています。
令和五年度松江市手作り産業優良技能者表彰

■No.2 三島(みしま)千寿子(ちずこ)
出雲かんべの里機織り工房(大庭町)
(奨励賞受賞)
推薦団体 MATSUE流の会

匠が幼い頃、曾祖母が安来市で機織りをしており、曾祖母の仕事場へ、よく遊びに行っていました。安来織と名付けられたその織物は、横糸として絣(かすり)を使用して織る工芸品で、藍染めにより絵柄が浮かび上がる様が見事です。曾祖母・祖母・母・叔母と代々受け継がれている安来織は、匠にとって常に身近な環境にありました。母が出雲かんべの里(大庭町)に工房を移し、のちに匠もこの工房で職人として働き始めました。「自然が豊かで静かな場所なので、落ち着いて作業ができる」と匠は話します。
工房には、いつでも気軽にお客さんが立ち寄れるようになっていて、申し込みをすればランチョンマットやコースターなどの機織り体験を行えます。工房にくるお客さんの中には、曾祖母から安来織を受け継いでいる歴史を知っている人や当時の懐かしい話を投げかけてくれる人もいるそうで、「お客さんに過去からの繋がりや伝統を知ってもらっていることを直接感じることが、一番嬉しい」と匠は話します。
曾祖母が作っていた頃と比較すると、生活スタイル・客のニーズ・作り手自身が作りたいものが変わってきています。代々伝わる技術や独自の作り方を守りながらも、柔軟に時代の変化に合わせ、固執しすぎないということを心掛けて作品を作っています。職人を志す人へ伝えたいことを伺うと、「極めるためには腰を据えて向き合わないとできない。何かを得ようと思うとそれに向き合い続ける我慢が必要」と話す匠。職人としての覚悟を強く感じました。
匠は今後、イベントや展示会に積極的に足を運び、機織りについてさまざまな人に知ってもらうことに力を入れたいとのこと。これからも、思い出と尊敬を胸に、代々伝わる歴史を大切にし、活動を続けていきます。

問い合わせ:ものづくり産業支援センター
【電話】60-7101

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