松江の文化力の次世代を担う人を紹介します!
■Vol.16 茶の湯文化を伝える
岡(おか)英介(えいすけ)
松江市出身・市内在住。
県外の大学を卒業後、松江市に戻り、市内の和菓子屋「三英堂」の4代目に就任。和菓子屋を経営しながら、茶の湯文化を次世代へ継承する活動を行っている。
私は、昭和4年から続く市内の和菓子屋「三英堂」の4代目社長をしています。今年度はご縁あって、島根大学の学生を対象とした課外授業で、和菓子に関する講義を行っています。
2年前にスタートしたこの講義は、今までテーマを設定してお菓子を作り、それをイベントや催事で販売する内容で行われていました。今年度は私が担当させていただくにあたり、今までの取り組みとは違ったものにできないかという想いがあったため、今回は主に商品開発のプロセスについて、学生たちと一緒に考える内容で展開しています。
講義では、単純に可愛い和菓子を考えるのではなく、コストや採算性、実現可能性などの生々しい部分を大切にしていて、学生たちが社会に出たときに役に立つような考え方を養ってほしいと思っています。
毎回の講義で学生たちと議論をする中で、さまざまなアイデアが出ますが、みんなが納得する方向へまとめていくことに難しさを感じています。ただそれ以上に、自分が持っていなかった発想や視点を学生が持っていることに、驚きと面白さを感じていますし、自分自身の成長にもつながっています。
和菓子を購入されるのは主に50代以上の人ですが、和菓子の文化を次世代へ継承していくためには、若いうちに和菓子を「知り」、「手に取る」ことが大切だと考えています。この講義が、和菓子を知り、松江の茶の湯文化への理解を深めるきっかけになればと思っています。
また、学生たちが今後松江を離れたとしても、和菓子を通じた関わりが持ち続けられるように、これからも松江の大切な文化の1つである「茶の湯文化」を守り、伝えていきたいです。
問い合わせ:文化振興課
【電話】55-5517
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