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GOTSU世界冒険譚 第2回 エジプトの[日本式学校教育]

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島根県江津市

学校教育課学事係 泉裕子指導主事

前回エジプトは遠くて近い国、とお伝えしました。今回はなぜエジプトが日本に近い国なのか、学校を例にしてお伝えします。

現在エジプトでは人口が急増し、大変活気にあふれています。国の平均年齢は24歳(日本は48歳)で、25秒に1人が誕生している計算です。実際は課題も多く、貧困率(年間約654ドルで生活する人口の割合)約30%、若年層(15~24歳)の失業率約27%との統計が出ています。
そんな中、現在エジプトは古い歴史を大切にしながら、若い世代に国再建の大きな期待を寄せています。エジプト政府は、新しい国づくりを進めるにあたり、子ども達の教育に光をあて、将来のエジプトを支えていく人づくりを新たな方法で進めています。
その新たな方法こそが、「日本式学校教育」なのです!

■エジプトで通じる日本語「TOKKATSU」
エジプトで通じる新しい日本語「TOKKATSU」。これは「特活」、日本の学校で行われている「特別活動」です。学校行事、児童会生徒会活動、クラブ活動、学級活動がこれにあたります。
4年前からエジプトでは日本式学校教育、その中でも重点的に「特活」を取り入れています。
平成28年、エジプトのシシ現大統領が来日し、日本の小学校を訪問しました。その時、子どもだけで登校する様子、話し合いでクラスの課題を解決している様子、学校をみんなで分担しながら掃除している様子、日直や係活動を公平に誰もが経験してクラスのために働く様子に感激したそうです。私達にはどれも日常の風景ですが、シシ大統領は日本の学校や小学生の様子を見て、エジプトの未来のヒントはここにあると考えました。
一般的にエジプト人は個人主義で、自己主張が激しいと言われています。それは大人の社会だけではなく、子ども達が通う学校でも同じでした。学校では子ども達が意見を求められることはなく、先生の言われることをするのが一般的です。また行動力や発言力がある子どもが先生から指名され、ずっとリーダー役をします。裏を返せば、そうではない子どもたちはリーダー役を経験することさえありません。エジプト政府はそのようなエジプトの学校で「日直」「掃除」「学級会」を取り入れ、日本人のようにお互いに協力できる力を子どもたちに育成しようとしています。エジプト全土に関わる大きなプロジェクトです。
私は初めてこのエジプトの話を聞いた時、実際は話ばかりではないか…?と疑っていました。しかし、実際エジプト日本式学校の子ども達の活動の様子を見て、本当にびっくりしました。エジプト人の子ども達が日本と同じように日直や掃除をしています。そして学校の名前が日本式学校と名付けられ、学校名もエジプトの公立学校ですが日本語で書かれています。
(次号へ続く)

■JICA研修事務局(グローバル教育推進プロジェクト)
忍頼子(おしよりこ)さんからの声
忍さんの母親は江津市出身!幼少期は毎年江津市を訪れていたそうです。

JICAの研修に大好きな江津から参加者が!と大喜びした担当者の忍です。
泉先生をはじめ研修参加者の皆さんはとても魅力的。研修を通じて、子ども達や教育への想いで深くつながりました。未来を創る子ども達や教育に熱い思いの先生方の伴走役としてご一緒できて本当に嬉しかったです。

問合せ:学校教育課学事係
【電話】0855-52-7495

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