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GOTSU世界冒険譚 第4回 世界を見る!世界を知る!

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島根県江津市

学校教育課学事係 泉裕子指導主事

最終回は、私がエジプトでのJICA研修を通して学んだことをお伝えします。

▽日本とエジプトの「当たり前」
私たちが学校で実践している当たり前は、世界から見ると全く当たり前ではないことだと知りました。
エジプトで江津市内の学校を写真で紹介する機会がありました。廊下を右側通行するためにテープを貼ってみんながルールを守る工夫や、文字について学習する書写、調理や裁縫といった将来の自立に必要な学習をする家庭科など、それらを授業として行っていることに先生方はとても興味をもっておられました。
「みんなが気持ちよく過ごせるように」という表現を日本人はよく使いますが、これを外国の方に説明しようとするととても難しいです。状況により「清潔」「公平・平等」「整理・整頓」などさまざまな概念が含まれます。
子ども達が「みんなが気持ちよく過ごす」ことを目指すことは、世界から見ると信じられないほど志の高いことであり、私たち日本人が集団を意識して生活をしているからできることだと分かりました。
今回、エジプトから日本を見て、すばらしい発見がたくさんありました。教師として日本の教育に、また日本人として日本人の心意気に改めて誇りを感じる機会になりました。

今回訪れたエジプトにはエジプト流の当たり前がありました。信号や横断歩道のない車道を横断する人々、学校に行かずに路上で商売をする子ども達、お金をくださいと寄ってくる人達。これらを理解しようと自分の当たり前を飛び越えて、さまざまな視点から解釈しようとしました。そこには「正しい」「正しくない」を超えた物事の捉え方が必要でした。世界の前では、自分基準でジャッジすることがいかに無意味なことなのかを痛感します。
エジプトでの研修後、私は「当たり前」という言葉を改めて捉えなおしています。「当たり前」は長い歴史や人々の暮らしの中で構築されてきました。しかし、今の時代では、少しずつ変わろうとしている「当たり前」もあります。「こうでなくてはならない」時代から、柔軟な対応や新たな価値を見出して「持続可能」な時代へと世の中全体が転換期を迎えています。今こそ「当たり前」を大切にし、「当たり前」を見直していく時なのかもしれません。

このエジプト研修は私の人生を変える出来事になりました。自分の「当たり前」から少しだけ枠を広げる感覚を得ることができました。世界は知らないことであふれています。今回のエジプト研修は毎日が「知らないことを知る」楽しさを感じる連続でした。知らないことを知るとわくわくします。その気持ちは今、私の強い原動力になっています。今後教師として未来を担う子ども達とともに学び続け、「学び」が「わくわく」につながる、そんな教育を目指したいと思っています。

■JICA 広報部地球ひろば推進課 加藤眞佐美さんからの声
JICAの教師海外研修は、教員の方々が途上国を訪問し世界について学び、学校現場や地域に還元していただく研修です。世界をこの目で見る、触る、そして現地の人たちと話す体験は、視野が大きく広がります。先生の視野が広がれば、子どもたちの未来も変わります。JICAでは、さまざまな国際協力のプログラムを実施しています。世界を知りたいときには、まずはJICA地球ひろばのホームページをご覧ください!

問合せ:学校教育課学事係
【電話】0855-52-7495

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