今回から江津地域拠点工業団地(以下「江津工業団地」)について、2回にわたりご紹介します。
地域おこし協力隊 後藤 響介
■広さは県内ナンバー2
江津市松川町に位置する江津工業団地は、総面積72ヘクタールで東京ドーム約15個分、県内で分譲中の工業団地のうち松江市のソフトビジネスパーク島根の78.2ヘクタールに次いで2番目の広さを誇ります。
島根県企業局が造成の主体となり、工業用地46ヘクタールのうち昭和55年から第1期分の造成が始まりました。令和3年度に第2期分が完成し、合計33ヘクタールが造成されました。また、江津市商工観光課企業立地係は工業団地への企業誘致や立地企業に対応する窓口などを担当しています。
■江津工業団地の特徴
温暖な気候が強みであることに加え、江津工業団地の最大の特徴は江の川水系から利用できる豊富な工業用水です。1日あたり6千立方メートル(一般的なお風呂200ℓの3万杯分)が給水可能です。
この工業用水は、飲料用の浄水処理をしないため安価で、製造業において洗浄や冷却、バイオマス発電のタービン用蒸気の生成など、水を大量に必要とする様々な工程で欠かせません。
■工業用水はどこから来る?
国道261号の江の川沿いを走っていると見えるこの建物(写真3 本紙掲載)、見覚えのある方は多いのではないでしょうか。実はここで江の川の水を取水し、約5km先の江津工業団地内の江津浄水場まで送ることで、工業用水を調達しています。
この取水塔の中には取水ポンプが3台あり、(写真3)の左から伸びる導水管と同じ高さにあるモーターの下には26.5mの揚水管が川底まで伸びています。この規模のポンプは全国でも数えるほどしかないそうです。そしてこの高さのおかげで洪水時には10m近く水位が上昇する江の川でも取水を継続することができます。
今回は江津工業団地を支える工業用水についてお伝えしました。次回は、江津工業団地の立地企業と今後の展望についてご紹介します。
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