■interviewインタビュー 生産者の思い
地元の新鮮な食材を使うことで、栄養価が高く、味も良い健康的な給食を提供できます。
地元の農家は、愛情を込めて育てた作物を提供しており、その顔が見えることで、子どもたちに食の大切さや農業の重要性を伝える良い機会となります。江津市の給食を支える野菜農家さんを取材し、思いを伺いました。
▽香の宮 F and A
大畑 安夫(おおはたやすお)さん
「子どもたちにたくさん食べてほしい」
私の栽培する小松菜や、ネギを給食に使ってもらっています。野菜はハウスの有機栽培で育てており、特に夏のハウス作業はとても暑く大変です。地元で作られた新鮮な野菜を地元で消費することを大切にし、子どもたちにはたくさん食べてほしいという思いで、野菜を作っています。これからも子どもの「おいしい」と「笑顔」を思い浮かべながら野菜を育てていこうと思っています。
▽佐々木 啓裕(ささきよしひろ)さん
「生産者の顔が見える、安心の野菜を」
農業を始めて7年、私は「美味しまね認証」を取得した安全安心な野菜を育てています。主に給食用にニンジン、ジャガイモ、キュウリ、ピーマン、タマネギなどを納品しています。露地栽培での野菜生産は天候の影響を受けやすく、収穫量を安定させることが難しいですが、生産者の顔を知ってもらい、地元で作られたものを食べて元気に育ってほしいと願っています。
■江津学校給食センター
桜江学校給食センター
所長 西田 明弘さん
江津・桜江学校給食センターでは調理員をはじめ、栄養教諭、事務員、学校給食支援員、作業員、給食運搬車運転手と、総勢40名におよぶスタッフが毎日衛生管理を徹底しながら、安全で安心な給食の提供に携わっています。また、地元の農業や漁業関係の方、食材の仕入れ先業者のみなさんなど多くの方々の協力を得て成り立っています。
そのような私たちの願いは、学校給食を通して大切な江津の子どもたちの体と心の健やかな成長です。
子どもたちに笑顔で「ごちそうさま」、「おいしかった」と言ってもらう、そして午後に向けての活力を生みだしてもらう、それを励みとしてこれからもスタッフ・関係者一丸となって毎日の給食の提供に努めたいと思います。
■子どもの笑顔のために
現在、給食は一食あたり小学校で275円、中学校では310円の予算で作られています。しかし近年、食材の価格が高騰しており、給食の質を維持するためにはさらにコストがかかってしまう状況になっています。
市では保護者の負担を増やすことなく、品質を維持した給食を提供するために、1食あたり約42円の補助を行っています。
▽アレルギー対応について
食物アレルギーのある児童・生徒に対しては、「江津市学校給食における食物アレルギー対応基本方針」ならびに「江津市学校給食における食物アレルギー対応ガイドライン」に基づいて実施しています。アレルギーを持っている児童・生徒に対して対象のアレルギー物質を除去して調理するなどの対応を行っており、すべての児童・生徒が安心して学校給食を食べられるようにしています。
※特定原材料のうち、「卵・えび・かに」のみアレルギー対応食を提供、「卵・えび・かに」以外のアレルギーがある場合は、保護者の判断による除去または家庭からの弁当対応となります。
▽これからのアレルギー対応
現在は保護者とのやり取りはすべて紙で行っていますが、来年度からは「※学校給食アレルギー対応システム『アレスク』」の導入を予定しています。システムの機能は主に次の通りです。
・給食献立、アレルギー対応情報のカレンダー表示
・保護者のアレルギー対応承認
・アレルギー物質を含む食材についての確認
これにより、一部紙でやり取りしていたことが、システム上で可能になるなど保護者や教職員の負担軽減を図ります。
システム導入については今年度導入の検討委員会を開き、2学期には導入テストも実施しています。よりよい安全安心な学校給食提供に向けて学校給食センター、学校、教育委員会で日々取り組んでいます。
※アレルギー対応システム『アレスク』は株式会社ABIが開発したシステムです。
■思いの詰まった「給食」
学校給食は栄養教諭、調理員、生産農家のみなさんの協力によって、たくさんの思いが詰まった食事が提供されています。栄養教諭や調理員は子どもたちの成長に必要な栄養素を考慮し、バランスの取れたメニューを作成します。子どもたちに喜んで食べてもらえるように色々なことにこだわっています。また、生産農家は新鮮で安全な食材の提供に努めています。
このようにすべての人々が、子どもの健康と成長を第一に考え日々努力をしています。そしてたくさんの思いが「給食」という形で子どもたちに届けられています。残さずに食べるということが、一番の恩返しになるでしょう。
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