さまざまな差別課題の解消を目的として、令和6年12月21日(土)に益田市人権センターで、部落解放同盟福岡市協議会青年部の吉岡綾さんを講師に迎え「今ここにある部落差別~差別を許さない生き方を選ぶことができるように~」と題した講演会を開催しました。
吉岡さんは学生の頃、「部落差別のことを知らなければ、学ばなければ差別はなくなると思っていた」「社会人になっても、その場の雰囲気に同調し他者を排除してしまう自分に気づいた」と自身にも差別をする心があったことを明かし、そのうえで「それは間違いであり、部落があるから差別されるのではなく、差別する人がいるから部落差別はなくならない」と赤裸々に語られました。
また、吉岡さんがこれまでに受けた4つの差別体験「17歳・タクシー乗車拒否」「18歳・職場での部落差別」「19歳・元婚約者からの差別」「21歳・結婚に際しての被差別体験」の中から、参加者の希望で、18歳の時に職場で受けた差別体験を語り、差別を受けてつらい思いをしながらも、差別する側の背景や心情を理解しようとするなど、吉岡さんの温かい人間性を感じることができました。さらに、パートナーとの出会いや義父の素敵な人柄など、ほのぼのとした話もたくさん聞くことができました。
参加者に向けて、「人としてどう生きるべきか」「自らを問い直し、差別を許さない生き方を選ぶことができるように、誰もが生まれてきてよかったと思える社会をつくるために、私たちはどう行動すべきか」を問いかけていただいた貴重な時間となりました。
★講演会には、教職員、各地区人権・同和教育推進員、市職員など124人が参加しました。
参加者から寄せられた感想(一部抜粋)を紹介します。
・人権について学ぶ意味。どう生きていくのかを自分と向き合って考える時間となった。同情ではない人権教育を考えていきたい。
・今まで受けた研修の中で一番わかりやすく、自分の反省点やこれからの事を考える時間となった。とても良い研修ができたことに感謝。
・人生で最も心打たれる内容で、学ぶこと・知ることが大事だということがよくわかった。
・差別をなくすために自分の体験を話される講師に感銘を受けた。
・改めて、部落問題の正しい知識を学ぶことが必要だと感じた。
・「自分のために人権問題を学ぶ」の言葉にハッとさせられた。
・いまだに差別があることがよく理解できた。
・繰り返し人権について学ぶ必要があると感じた。1度聞いてわかった気になってはいけない。良い機会になった。
・部落差別に関わらず、今ネットでいろいろな情報が飛び交っている。それをそのままうのみにしている自分。こんな風に差別が始まるんだろうなと思う。これからは自分でしっかり学んでいきたい。
・「差別は何の得にもならない」の言葉が心に響いた。
・研修機会が多いことが第一。誰もが認識を深められる。知らないことが多すぎると感じた。
益田市人権センターでは、年間を通してさまざまな人権啓発講演会・講座(市民参加型)を計画し、広報ますだや市ホームページでご案内しています。また、各種人権課題に応じた啓発用DVDの貸出しもしています。企業や地域内の小グループでの会合や各種サロン等を開催する際の人権研修にご活用ください。
生活相談等も随時受付けていますので、お困りのことがありましたら気軽にご相談ください。また、弁護士や行政書士等による無料相談会(要予約)も開催しています。
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問い合わせ先:益田市人権センター
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