◆第3回西ノ島町産ツルアラメによるアレルギーの抑制
2023年春のスギ花粉の飛散量は非常に多く、花粉症に悩まされた方々が例年より多かったかと思います。また近年、アレルギー患者は増加の一途を辿り、深刻な社会問題となっています。特に、花粉症や食物アレルギーの患者が顕著に増加しています。
このアレルギー問題に対応するため、私どもは海藻成分に着目し、過去の研究でそのアレルギー抑制を明らかにしました。その研究成果に基づいて、西ノ島町産ツルアラメ(図1)についてもアレルギー抑制の研究を進めてきました。
その結果、有効成分は前回ご紹介した海藻ポリフェノールであり、ツルアラメの抽出物がアレルギー反応を抑制することが分かりました(図2)。さらに、1年間(月ごと)のポリフェノール含量を調べたところ、6月~11月に含量が高く、繁殖の時期にあたる成熟期を除いた6月~8月が最適な収穫期であることも分かりました(図3)。成熟期を外した収穫によって、ツルアラメを絶やすことなく毎年安定的に収穫できると考えています。
この研究成果を基にして、現在、ツルアラメ粉末を使用したサプリメントが販売されています。今後、高付加価値で高価な水産食品の原料として、西ノ島町産ツルアラメの更なる普及に努めてまいります。
◇図1 西ノ島町産ツルアラメ
※詳細は本紙をご覧ください。
◇図2 ツルアラメ抽出物によるアレルギー抑制
50%抑制濃度:低い方が効果は高い
◇図3 海藻ポリフェノール含量の月別変化
次回は、広報1月号で「ノコギリクモの研究」についてご紹介します。
問い合わせ先:西ノ島町役場産業振興課
【電話】08514-6-1220
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