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島の自然を守り、活かす

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島根県西ノ島町

◆“近自然工法”による摩天崖歩道整備ワークショップ開催
西ノ島町産業振興課では、西ノ島町観光協会、隠岐ジオパーク推進機構、環境省と連携して、11月1日〜3日にかけて摩天崖歩道整備ワークショップを開催しました。この事業は、今年度からの新しい取り組みで、大山隠岐国立公園やユネスコ世界ジオパークに認定される隠岐の自然環境を利用と保全の両面から適切に管理運営し、次世代へ継承していくことを目的としています。
今回は歩道整備について学ぶため、北海道大雪山を拠点に全国で「近自然工法(きんしぜんこうほう)」による登山道整備でご活躍される、一般社団法人大雪山・山守隊の岡崎哲三さんを講師にお迎えしました。現地でのワークショップと講習会の3日間の構成で、近自然工法の施工技術や理念を学びました。
近自然工法とは、生態系の基盤を回復させることで自然と調和した歩道整備を目指すもので、主に現地の倒木や石を活用して施工し、土壌を修復していく工法です。
ワークショップでは、周辺から大小様々な石を採取することからはじまり、摩天崖歩道の中腹まで運搬しました。時には、大きな倒木を運び出すことも。
資材がそろったら、いよいよ歩道の修復に取りかかります。集めた石や倒木の形、崩れている場所をよく観察しながら、どうすれば安定した歩道になるのか、頭と体を最大限使って、周りの方とも協力しながら作業に取り組みます。
ハードな場面もあり、簡単な作業ではありませんでしたが、自分たちの手で修復された歩道は何度も歩きたくなる美しさを感じさせます。この歩道が5年後10年後と時を経るにつれどうなっていくのか楽しみです。
講習会では、国立公園や近自然工法の理念や保全の在り方、全国の事例紹介などについて講義をしていただきました。
特に、地元の維持管理チームを中心に歩道の利用・保全を行っていくことで、適切な管理ができること、整備ツアーの開催など外貨を稼ぐことで継続的な管理につなげる手法をご紹介頂き、自然環境の維持とともに、観光振興にもつながるなど、この取り組みを通じて地域の多くの課題解決につながる可能性を感じる講演でした。
また、全国的に歩道の整備不良による荒廃が進行する中、隠岐は自然環境がまだ維持されており、きちんと保全することで先進的な場所になる可能性があると評価をいただきました。
摩天崖は隠岐を代表する景勝地であるだけでなく、何億年と続く隠岐の大地の成り立ちを体感できる、西ノ島町の誇りです。この地を多くの方が訪れ、これまで以上に西ノ島町のファンになっていただけるよう、私たち町民の手で守り育んでいくことが重要ですので、今後とも皆様のご協力をお願いいたします。

摩天崖歩道整備について問い合わせ:西ノ島町役場 産業振興課
【電話】08514-6-1220

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