◆小島 正春 議員
○福祉施設に対するビジョンについて
施政方針のなかで、介護提供体制にかかるグランドデザイン策定や地域福祉総合計画の策定を行うと述べられており、昨年末から福祉に関する住民アンケートが実施された。
今後の福祉政策を行う上で、町民の意見をくみ取り反映させることは大変良いことである。しかし、今後、人手不足が深刻になる中、町としてのビジョンがあり、その上で住民の意見を反映させてグランドデザインを描くことが大事と思うが町長の見解を伺う。
〔回答 町長〕
現在、本町の介護サービスにあっては、慢性的な人材不足、小規模多機能型居宅介護事業所(本郷)、あるいは特別養護老人ホーム(和光宛)の施設の老朽化、また、課税世帯で要介護2以下の方の施設入所が出来ないと言った問題を抱えていると認識している。
こうしたことから、介護保険に合わせたサービスの組み合わせ、ICTの活用、業務の効率化などの諸問題をしっかりと検討し、将来に渡って持続可能な医療・介護サービスの提供体制を構築するため、グランドデザインの策定に臨んでいるところである。実行可能、持続可能なサービスの提供体制を構築するためには、将来の介護福祉サービスを担う事業者と一緒に議論をしながら、ビジョンを作り上げる必要があると思っている。
今後は、昨年実施したアンケート調査等により将来の介護需要を推計し、専門家等からのアドバイスも受けつつ、町内の社会福祉法人や隠岐島前病院とも、策定委員会やワーキングチームの中で一体となって協議をしながら進めて行く予定としている。
グランドデザインの策定には、議会からも委員として参画いただいている。今後も、策定委員の方から、意見をいただきたいと思うので、引き続き皆様の協力を願いしたい。
◆中上 哲一 議員
○廃屋の除去対策について
全国的に人口の減少と核家族が進み、親が亡くなっても都会に出た子供が帰ることは少なく、実家が空家になってしまうケースが増えている。本町でも同様に、空家がやがて廃屋になってしまっている。
空家がいきなり廃屋になるわけではなく、事情があり放置されれば廃屋になり、空家は活用を進めることが、廃屋については家仕舞いをきちんとしてもらうことが町づくりにもつながると考える。
そこで、次の4件について町長の所見を伺う。
質問(1)
空家法では、危険度が高くならないと対応できない仕組みだが、活用が見込まれない空家は、早めに更地にしていくようにすべきではないか。
〔回答 町長〕
所有者が管理できず今後活用する意向もない状態となれば、周辺の生活環境に悪影響を及ぼす前に所有者によって除却され、更地にすることも適切な選択肢の一つであると考えている。しかし、あくまでも、私有財産に関することであり、まずは所有者において日頃から空家の管理を適切に行ってもらうことが必要であり、町としても、法の趣旨に則り所有者に適切な管理を促していく。
質問(2)
空家を放置しているのは、更地にすると固定資産税の軽減措置(6分の1)がなくなるのが原因のひとつではないか、廃屋が確実な空家は、更地にすれば税の軽減が継続できないか。
〔回答 町長〕
土地の固定資産税については、毎年1月1日を基準に宅地用地として利用している場合は、その税負担を軽減する特例措置が設けられており、具体的には、住宅用地のうち200平方メートルまでの部分については課税基準額が6分の1に200平方メートルを超えた部分については3分の1になるが、家屋を除却し住宅用地としての利用、敷地としての利用がなくなった場合には、その土地にかかる固定資産税の特例措置は適用されないことになっている。
空家を除却すると特例措置の適用がなくなることが、廃屋等の除却が進みにくくなっている一因ではないかとの指摘、提案だと思うが、空家等対策特別措置法の改正によって、勧告を受けた管理不全空家(廃屋)と言うことになるが、特定空家の所有者に対しては、その空家の住宅用地にかかる固定資産税の特例措置を解除することが、場合によってはできると言った制度の仕組みになっている。この趣旨を考慮すると、公平な税負担を求める立場として更地に対する固定資産税の軽減と言うことは想定されていないものと考えられる。現段階では、提案について実施する考えはもっていない。
質問(3)
空家対策は、危険性だけでなく観光面や清潔な町づくりの観点から廃屋の除去を進めていく必要があると考える。
〔回答 町長〕
空家になったにも関わらず適切な管理が行われていないまま放置されると、結果的には景観の阻害や公衆衛生の悪化等様々な悪影響を及ぼしてしまう。
このことから、本町では、令和5年度から老朽危険空家等除却支援事業補助制度を設けたところ、老朽空家1件が、この補助金を活用して除却されて、景観や町並みの保全にも寄与したと考えている。引き続き、この補助制度を倒壊の危険性の高い空家の所有者に周知して、老朽危険空家の除却を促進したいと考えている。
質問(4)
昨年12月に空家法が改正され、改正後は「特定空家等」に加え「管理不全空家」が新設された。これも含め、町の取り組みはどのようになるか。
〔回答 町長〕
改正された空家等対策特別措置法を反映した第2期の西ノ島町空家等対策計画(令和6年度〜令和10年度)の策定作業を進めている。
町としても、まずは空家の利活用を第一段階に考え、次に所有者が空家に責任を持って管理不全な状態にならないよう適切な管理を促すといったところを第二段階、さらに経年劣化等により管理不全空家や特定空家、いわゆる廃屋となったものに関しては状況に応じて指導・勧告等、また更に必要な措置を講じていきたい。
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