■アイヌの人々に対する差別
アイヌの人々は、北海道などに先住していた民族で、自然の豊かな恵みを受け、固有の言語や伝統的な儀式等、独自の文化・伝統を持って暮らしていました。
しかし、明治時代以降の国による同化政策(アイヌの人々の日本人化政策)により、狩猟の禁止や、アイヌ語の使用も制限され、日本語を使うことを強制されるようになりました。アイヌの人々は、その独自の文化や生活を禁止され、日常生活で様々な偏見による差別を受けてきました。
■法整備の過程と現在
このような差別問題を解決するため、平成9年(1997年)の「アイヌ文化振興法」をはじめ、様々な取組が進められました。こうした動きは、平成19年(2007年)に、世界の先住民族の権利を認める国際連合宣言が採択されたのを機に、一層推進されました。令和元年には「アイヌ施策推進法」が施行され、地域・産業・観光の振興なども含めた総合的な施策が進められています。
しかし、今でもなおアイヌの人々に対する誤った認識などから、アイヌの人々への偏見・差別が残っています。私たち一人ひとりが、アイヌの人々の歴史や文化を正しく理解し、偏見や差別のない共生社会をめざしましょう。
▽関連する主な法律等
・アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及および啓発に関する法律〔1997年制定〕
・先住民族の権利に関する国際連合宣言〔2007年国連総会での採択〕
・アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議〔2008年衆参両院での採択〕
・アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律〔2019年制定〕
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