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石橋良治町長退任 町政20年を振り返って

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島根県邑南町

■就任時から抱き続けた想い
20年前の邑南町長選挙は激戦でした。票差にして135票。このわずかな差で町長として付託を受けました。就任後は、どこかに偏ることなく、公平公正をモットーに町政を運営していこうと決め、今日に至りました。
その表れの一つとしましては、周辺部の道路の改良・整備というものがありました。中でも浜田作木線は、県の財政も厳しく、予算がなかなかつかない状況で、日貫、羽須美といった地域はなかなか整備が進んでいなかったと記憶しています。しかし、議員や住民の皆様にも協力をいただき、現在は改良率85・6%に至り、さらに道路の改良・整備は進んでいます。
また、小中学校についても、統廃合はしないと申し上げてきました。他の市町の学校統廃合後のある地域を見ますと、やはり衰退しているように思いますので、町内の小中学校に関しても、偏りなく周辺部を大事にする想いを実現できたのではないかと思います。

■邑南町の財産
邑南町の持っている財産について改めて考えてみますと、中核病院の公立邑智病院、矢上高校に石見養護学校、進出企業は8社です。また、数多くの社会福祉施設と運営法人、おおなんケーブルテレビ、自動車学校、浜田自動車道に2つの産直市、JR三江線は廃線になりましたが、鉄道公園として残っています。日本一の子育て村や脱炭素の取組も大事です。中でも、コロナ禍に立ち向かい、12の地区別戦略等の、地域づくりの実績を積み重ねてきたという事実からも、地域の皆さんがとても元気であることが、邑南町の最も自慢できるところだと思います。
私は、これらの多くの「財産」は、ちょっとした「市」のレベルに匹敵すると思います。この20年間で衰退させず、守り、発展させることに注力したつもりですが、この点は後世の人たちが評価を決めると思います。

■課題と次期町長へ期待すること
人口減少はなかなか食い止めることができないのも事実です。こうした中で求められるのが、効率的な行政運営と、若い方々に夢のある政策をどう訴えるかということです。歴史的事実を見ても、時代を動かしてきたのは若者だと思います。政治や地域づくりに、若者が参画できるような仕組みや機会を構築することが、これから重要な課題だと思います。
次の町長の方にも引き継いで欲しいことでもありますが、私のモットーでもある公平公正な行政運営を継続してほしいです。次に、住民目線で「まちづくり基本条例」の趣旨を尊重していただきたい。最後に、子どもの学びの保障を提供するということです。特に子どもの学びについては、現状で島根県の東西で格差があります。県にも強く訴えていくべき大きな課題です。

■最後に皆さんへ
私は20年間で様々な課題に直面してきました。そこで思うのは、課題解決には自分事として対応することが大事だということです。自分が同じ立場になったらどうだろうと考えると、課題の本質が分かってくるのではないかなと思います。よく言われる「町民の方に寄り添う」とは、まさにそういうことだと思います。
20年間いろいろありました。それでも大きく混乱せずに町政に取り組むことができました。全町民、職員、議会の方々、また多くの先達の方々に御礼申し上げます。誠に有難うございました。

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