■第18回 電気を生み出す「おおなんの風」
▽邑南町内の「レンズ風車」
仕事が終わった夜、ふと夜空を見上げると、いこいの村しまねが山頂に煌々と光り、暗闇に浮かび上がっています。邑南町に住む我々なら、一度は見たことのある風景だと思います。「今日もお客さん泊まっているのかな?」とか「宴会で賑わっているのかな?」など、想像をかき立てられている人もいるのではないでしょうか?
こんな想像をかき立てる電気の一部は、いこいの村しまねが建つ山に、昼夜問わず天候に関わりなく吹き抜ける風でまかなわれています。
島根県内では、出雲市や江津市など日本海沿岸部に、大型の風力発電が立ち並ぶ光景が見られます。いこいの村しまね敷地内に設置された風力発電設備は、それらと比べると小型で愛らしさを感じるデザインで、九州大学発のベンチャー企業により開発され「レンズ風車」と呼ばれています。
▽「レンズ風車」の特徴
従来の風力発電は、羽(ブレード)による風切音が騒音問題となりやすいですが、レンズ風車の羽は静音性を高める構造に工夫されています。また、ブレードを囲むディフューザ(輪)があることで、空気の渦をつくり気圧の変化を生じさせることで、風のスピードが加速し、発電効率が通常の約3倍も高まります。さらに、鳥等が構造物として認識しやすく、鳥が衝突するバードストライク防止にも役立っています。
高さは、約11メートルで、ふもとからは、目をこらさないと分かりません。発電容量は、3キロワットですが、風さえ吹けば24時間の稼働が可能なため、エネルギーの地産地消には大きな役割を果たすと期待しています。
いこいの村しまねに立ち寄られた際には、電力を生み出すレンズ風車も見学してみてください。
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